TETSU JUKU

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子どもに読ませたいブラックジャック

律義で義理堅いブラックジャック

 高額な手術料をふんだくることで悪名高いブラックジャックだが、実はたいへん義理堅く、人情的でもある。自分に落ち度があれば償いをするし、自分が受けた好意に対しては必ず返している。決して冷酷ではなくなかなか人間臭く魅力的である。正直なところ格好がいい。

 「助け合い」というタイトルの作品もブラックジャックのそんな義理堅い一面を感じることができるものだ。あらすじは次の通り。

 ブラックジャックはある日外国で冤罪で逮捕される。アリバイが実証できず収監される。しかし、アリバイを実証しくれる日本人が現れ無事無罪放免となる。ブラックジャックはアリバイ実証してくれた恩人に対して、必ずお返しをすることを約束して別れる。しばらくしてその恩人は会社の収賄事件に巻き込まれてしまう。そして自殺を偽装させられ殺害されそうになるのだ。幸い一命をとりとめるが重体。いつ死ぬか予断を許さない状態だ。なんとかして助けたいと思うブラックジャックはあらゆる手段を講じて手術をしようとする。しかし障害は多い。その恩人を死なせたい側の人間の邪魔が入るのだ。ブラックジャックは恩人が入院している病院を買い取ってまでその手術する。もちろん成功する。

 実に頼もしく爽快な気分にさせてくれるストーリーだ。そしてそこまでして恩返しをする姿は実に格好がいい。私が初めてこのエピソードを読んだのは小学生の頃だったが「こういう大人になりたい」と思ったことを覚えている。子供に教えたい人間関係の大切さは人情の機微というものは言葉で伝えることは難しい。このような物語を通して伝えたいと思う。

 

日本昔話を知らない?

 ところで、最近、気になっているのは、最近の子供たちは昔話や古典作品をあまりにも知らないということだ。昔話から学ぶ教訓は大切だ。日本人の心や大切にするべきことが物語に込められている。そんな名作を知らない生徒があまりにも多いのだ。「花咲か爺さん」レベルの昔話の代表のような物語でさえも、物語のクライマックスしか知らない生徒が多い。時代とともに様々なことは変化するのは別にいいのだが、大切なものが失われていくのは残念だ。もちろん、それに代わるものがあればいいのだが…。物語は時代を反映するものだが、人間関係に関しては時代は関係ない。優れた物語は子供たちに伝えていかなければならない。

 

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