あまりにも忙しすぎて親孝行どころではなかったが、少し余裕ができたので、母に梅を見せてやろうと思って公園へ連れていった。場所は自宅から10程度車で走ったところにある馬見丘陵公園（広陵町）だ。大和高田市、香芝市、北葛城郡の方にはおなじみのなかなか良い公園だ。入園は無料だし、いろいろな花を育ており、散歩したり写真を撮ったりするには程よい場所だ。一日過ごしてもいいくらいの気持ちのいい場所である。そんな馬見丘陵公園もだんだん整備が進み巨大化している。なかなか立派な公園になったもんだ。
さて、既に梅の花は結構散っていたが、ちょうど盛りの木もまだ多くあり、美しい花を楽しむことができた。母は大喜びで興奮気味だった。認知症のため基本的に一人では出歩くことはない。こうやって連れて行ってあげなければ無理である。歩きながら「綺麗だ」と何度も口にするのだが、「こんなところに来たことがない」を何度も繰り返す。実際は何度か来たことがあるのだが覚えていない。最近は認知症が進行しているので昔のことも徐々に忘れ始めている。薬を飲んでいるので病気の進行は遅らせてはいるが止めることはできない。今の医学では基本的に治ることは無い病気だ。なんとももどかしく悲しい限りだ。こうやって花を見るためで出かけたこともすぐに忘れてしまうのだ。最近は病院以外へ出かけることはめったにないことだが、そんなめったにないことでも覚えられない。本当につらい。何をしてあげても覚えていないのだから...。実際、花を見て変える時、車に乗ってしばらくするともう忘れていた。
進学塾TETSU／奈良市鳥見町／とりみ町
