塾講師をやっていて最も嬉しいことはもちろん生徒の合格だが、他にも同じくらいうれしいことがある。それは生徒の成長を感じるときだ。入塾時は本当にできなかった生徒が2年～3年ほど経過すると相当な成長を見せるようになる。テストの得点でその成長が分かるんだが、点数を見なくても授業中の様子や学習の様子で相当な成長がわかるのだ。下手ながら文字を丁寧に書けるようになったり、注意したことを必死で守ろうとすていたり、自ら考えて行動できるようになってきたり、仕草や行動にその成長が全部現れるのだ。特に小5・小6から見ている生徒なら中3になると別人に思えるほどの成長を見せる生徒もいる。
昨日、中2の男子生徒が学校帰りに塾へ寄った。15時半ごろである。その後22：00過ぎまでずっと勉強していた。6時間以上きっちり勉強して帰った。今は試験前だから誰だって勉強意識は高まる。だからと言って、そう簡単に、直塾（自宅に帰らずに直接塾に来ること）して6時間も勉強ができるというわけではない。これは相当なレベルのことである。普通はできない。しかも、この生徒は本来こういう水準で勉強ができるタイプではなかった。言われないと、強制されないと動けなかった生徒である。それが、指示されもしないのに、このような取り組みを見せているのだ。本当にたいへんな成長ぶりだ。もちろん、母に叱られた可能性もある。それでも大したものなのである。
「一度、帰宅すると塾へ自習に行くことが億劫になってしまうから、直塾した」
と、その生徒がポツリと友達に語っていた。立派だ。素晴らしい。
この様子を見て、本当に彼の大きな成長を感じた。もちろん、彼には他の課題がたくさんある。でも、こういう行動を取れるようになったということは、他の課題を克服する日は近い。期待している。へこたれずに更にがんばって欲しい。
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