TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

「今まで3000人教えてきました」ってすごいのか?

 個人で塾を開くとき、自分をアピールをしないといけない。当然だ。自分のことを世間は全然知らないから、自分で宣伝をしなきゃいけない。それはしっかりやればいい。そして自分という人間を知ってもらわなければならない。しかし下手なアピールは却って自分を下げてしまうこともあるし、あまり自己アピールをし過ぎるとうさん臭さが大きくなる。本当の実力者なら自然と話題になる、噂になる。「〇〇塾の△△先生が辞めて独立すんねんて」特に大手塾で中学受験を担当する実力のある先生なら、保護者の間で一瞬に広がる。それほどのレベルだ。実力者は常に誰かが話題にしてくれるし、放っておかないのだ。私は大手塾にいたが、その塾では普通なので別に騒いではくれなかったが、その大手塾の名前が通っていたので、別に詰まらない自分自慢をしなくても少しは話題になり、助けてもらった。しかし、独立前の会社の名前は出さなかったし、チラシには書いたりしていない。むしろ前の塾の名前は隠していたが、隠しきれなくてすぐにばれてしまった。正直なところラッキーだった。

 しかし、そんな環境が無ければとにかく自身をアピールしなきゃいけない。でも、そのアピーるが下手な人が多い。

例えば、自分アピールは次のようになる。

・県内一番の大手塾出身

・大手塾時代は教室長(校長)

・県内の様々な地域で勤務

・大手塾時代は教科主任

・これまでに教えた生徒は3000人以上

・TOEIC850点以上

・英検1級取得

漢検1級取得

・数検1級取得(これはかなり偉いです)

・教員免許あり

 

 英検、漢検、数検学力アピールになるから悪くはないが、教務力は高いとは限らなない。教えることが上手いかどうかまでは保証でいない。教員免許は学校ならば必要だが、塾をやるには必要ない。上手いかどうかもわからない。というか、教員免許のアピールをする人間は逆にたいしたことはない。むしろ人が悪いとさえ思う。普通の人なら「教員免許がある=安心できる」となりやすい。だから、だます気満々ともとれるわけだ。実際、学校の教員は全員が免許保持者だ。でも、不祥事は多く、ありえない犯罪さえ起こすし、なんの保証にもなっていない。あくまでも教壇に立てるという許可に過ぎない。

 教えた生徒数はどうだろうか…普通は、3000人も教えていたら凄いのでは…となる。これも勘違いしやすい。大きな塾で20年勤務すれば、まあ、普通なら、それくらいにはなる。当たり前なのである。これが小さな個人塾で3000人教えたとなれば、びっくりに値するけどね(個人塾では、ありえない(笑))。

 だから、つまらない自己アピールをするより、しっかりと教育理念、指導方針を訴える方がいい。自分で塾を興すくらいだから相当なこだわりがあるはずで、それを伝えるほうがよっぽどいいのだ。あるいは、勇気の出る言葉、やる気の出る言葉を訴える。「話を聞いていると、やれそうに思ってきました」って思ってもらえるような話をすることだろうね。いずれにしても、上手いことやらなきゃな。正々堂々とね。

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