TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

読書について① 本嫌いにしてしまう親

 私が子供の頃、母は本を読ませたがった。「本をたくさん読んで賢くなりなさい」とも言っていたと思う。それでいろんな本を買い与えくてくれるのだが、どれも面白くもなんともない、ある日ページ数の多い本が目の前に現れる。小説だった。しかも海外の作品だ。タイトルは「宝島」作家名まで覚えていない。タイトルからしてワクワクしない。とりあえず1ページ読んでみた。全く面白くない。もう少し読めば面白くなったかもしれないが、全く進まない。苦痛なだけだった。なんとか2ページ読んだがそれ以上は無理だった。この1冊で僕は読書が嫌になった。子供なんてそんなものである。このケースで読書が嫌になる子供は非常に多い。その時、僕が読みたかったのは「ウルトラ怪獣大百科」である。ウルトラ怪獣大百科なら何十回と繰り返し読んだだろう。何十回も読めば相当知識が身につくし、文字や言葉も覚える。そして、「本を読めば知識が身につく」という成功体験をすることになる。何よりこの体験が大きい。それでよかったのに、母は間違ってしまった。ウルトラ怪獣の知識や、そこから知る文字に価値がないと思っていたに違いない。実はウルトラ怪獣の知識は大人になってから役立つのだ。

 大事なのは読書でなく、文字を読むことであり、文章を読むことである。そして文字から情報を得るという体験なのである。無理に本を勧めないこと、課題図書だからと言って押し付けないことが大事だ。別に課題図書がとりわけ優れているということはないので。子供には読みたいと思う本を読ませてやるほうがいい。もちろん図鑑でもいい。むしろ図鑑はおススメだ。賢くなるために、読解力をつけるために本を読ませるのは大間違っている。それはあくまでも読書の結果である。結果、読解力を身に着けるものもいれば、知識を身に着ける者もいるし、何も得ない者もいる。

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