TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

ごちゃごちゃ言わないでトイレに行かせてやれよ

いじわるですよね

どこかの学校のある教室での会話

生徒:「先生、トイレ」

先生:「先生はトイレではありません!」

 

 こういう先生と生徒の会話を自身で経験したことがある人、間近で見たことがある人は結構いるでしょうね。一般的には、単語で会話をしようとする生徒を嘆く先生の愛情のこもった指導として捉えることができます。この先生自身もその思いをもってこういう指導を実践しているのだと思います。しかし、私はこの場面においてはこの指導はナンセンスだと思います。おそらく、これは授業中だと思います。休み時間なら生徒は黙ってトイレに行きますからね。生徒がこのように言ったのはもう我慢出来ないところまで来ているということですよ。だから、仕方なく「先生、トイレ」と言ったのでしょう。ということは緊急事態なわけですよ。今すぐにトイレに行きたい。一刻も早くトイレに行きたいのです。ですから、先生はごちゃごちゃ言わないで早くトイレに行かせてやるべきでしょう。そもそもこんな緊急時に「そん言い方じゃわかりません。ちゃんとした文章で話をしなさい」という指導をしたとしても、聞けるわけがないじゃないですか。指導が必要ならこの生徒が戻ってからゆっくりと指導するべきでしょう。しかもこの生徒だけでなく、全員に対して指導するべきだと思うのですよ。大事なことは一般化しないといけません。先生が責任感が強いのはもちろん好ましいことですが、このケースだと「いじわる」にしか見えませんよね。どうか、もう少し余裕をもって指導をしていただきたいですね。できればご自分の指導をメタ認知していただきたいと思いますね。せっかくの指導も意味のないものになりますからね。

日本語の特徴を理解して指導

 さて、この単語で話すをことを嘆く方は多いです。塾でも「先生、プリント」しか言わない生徒もたまにいますし、「次回、休みます」というレベルなら頻繁にあるのです。しかし、日本語はこれで通じてしまうわけですよ。日本語は英語とは全く違う文脈依存型省略言語です。相手が状況をしっかりと汲み取ってくれるので、最低限の言葉で通じるのですよ。特に日常的に接している関係ではそれは当然ですし、通じないほうが不自然なわけですよ。また、この省略が立派な文化にまで昇華したのが俳句ですよね。ですから嘆く必要はどこにもないのです。しかし、文脈や状況を共有できない関係や知らない場所では無理ですから、文章を用いて伝えること指導しないといけないでしょう。というか、どういう情報を伝えるべきかを考えるように指導するべきですね。その結果ちゃんとした文になるのではないでしょうか。日本語の特徴を先生がもっときっちりと理解した上で指導するべきだと思います。

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