TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

来年から英語が難しくなる…

早期の英語学習は必要か?

 新しい中学校の教科書が展示され、「来年以降の英語学習がたいへんだ」とSNSでも大きな話題になっています。語彙数が増え、文法も難しなくなり、英文も長くなります。昨日もブログに書きましたが、中学生は試験前だけの勉強では追いつかなくなりますし、小学生も文法を理解できないと苦労を強いられると思います。そうなると、だれもが「英語学習の強化」を思い浮かべ、早いうちから英語学習をさせようとします。そして、それを煽るような業者もたくさん現れて、それが自然な流れになると思います。もちろん、英語学習を強化することはいいのですが、それだけで解決するものではありません。場合によっては逆効果になる可能性もありますよ。

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大切なのは母語の力

 多くの人が見落としているのが母語です。外国語を習得する場合、土台となるのは母語です。外国語のレベルが母語のレベルを超えることはあり得なないですよね。当然、母語の力が豊かなら外国語を受け入れやすく、理解や吸収も早くなるのです。でも、小学生は語彙力も低く、圧倒的に母語の力は未熟です。母語の文法さえ分かっていません。そこへ大量の英語を見せても、文法の説明をしても吸収できるわけがないのです。「小学生にも英文法を教えよう…」と言う声も多くあります。しかし、日本語の「主語」・「述語」あるいは「名詞」・「形容詞」といった文法用語でさえ多くの小学生は理解できていません。これではついていけるのは上位の生徒だけで、それ以下の生徒は置いていかれます。

母語を鍛えるには

 では、どうするべきか。それはきっちりと母語を鍛えることなのです。国語の授業とその指導を今よりももっと充実させないといけませんし、授業外の活動で母語を鍛えることを意識することが大事なのです。でも、学校でやることには限界があります。そうなると、家庭教育になるわけです。いかに、母語を鍛える教育ができるか、またその教育を受けさせるかが鍵なのです。英語だけを早期に導入しても壁はすぐに現れます。「やるだけ無駄」とまではいいませんが、それだけなんとなるものではないことを心得ておきたいものです。

 しかし、母語を鍛えるとなるとすぐに「読書」に走りがちです。もちろん、それは間違いではありません。しかし、読書は方法の一つです。まずは、話をたくさん聞かせることです。いろいろな話をたくさん聞かせてやりましょう。就学前なら読み聞かせなんかどんどんやるといいです。優れた作品のアニメを見せるのもいいし、童謡や唱歌もどんどん聞かせるといいですよね。そして、次は会話です。会話ですすから一方的ではなく対等におしゃべりをすることです。そんな日々の繰り返しが、母語を鍛えることになり国語力の土台を作ります。親も忙しいですから、たいへんですよ。簡単ではありませんし忍耐力もいります。しかし、確実に親子の時間も増えるわけですから、副産物も多く、充実した時間になるのです。ただ、それを実感するのはかなり後になります。

 

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