TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

級取得が目標ではない

 入試制度の改革に伴い英語検定が注目ですが、果たして本当に学力を計れるのでしょうか?例えば3級は中学卒業程度ということになっていますが、中1・中2で英語が得意な生徒は取得できますし、中3で英語の学力はそれほど高くなくても、少し勉強すれば1学期で取れますよ。もちろん、中学生の間に準2級まで取得することもそれほど難関ではないわけですよ。しかし、2級はやはり難しいですね。高校卒業程度となっていますし、いい加減な勉強では無理ですね。

 では、4級、5級となるとどうか。ズバリ簡単です。4級は中2の内容までとなっていますが、ある程度絞り込んで勉強すれば取得できます。試験はすべてマークシーとですし4級、5級はライティング問題はないですからね。単語のスペルを覚えていなくても、英文が書けなくてもなんとななるのです。選択問題もある程度パターン化されていますし、リスニングの練習をすれば十分合格点には達します。

 ということですから、必死で英単語のスペルを暗記する必要はなく、英作文を書いて冠詞や複数形のS,ESを忘れることに悩まされるような勉強をしなくてもいいのです。そんな勉強でなんとかなるのですよ。つまり、いい加減な勉強でもなんとかなってしまうのが3級までの問題です。やはり、書くことを取り入れない勉強はごまかしがきくのです。曖昧なまま続けることができますからね。ですから、小学生や中学生が英語検定に挑戦するのは悪いことではないのですが、英語検定の問題に合わせた勉強だけをしてしまうと具合が悪いのです。いい加減な勉強で適当な勉強で級が取得できてしまうのですから、勘違いをしますし、そんないいかげんな勉強の仕方が普通だと思ってしまう可能性もありますからね。実際に英語検定を持っていても中学の定期考査で高得点は難しいです。うまく行くのは中1の1学期くらいまでですね。2学期以降は歯が立たないのです。もちろん、ちゃんとした勉強した生徒は優秀な学力を保持していますよ。私の経験では英検もっていてもその3分の2はダメな感じです。

 理想はしっかりと「書くこと」を通して単語スペルも暗記し、冠詞や複数形などの文法理解も深め、しっかりとした学習を通して学力をつけることなのです。そして、ある程度勉強してから、「英検でも試してみるか」と挑戦するようなやりかたがいいと思っています。

 英語検定協会としては受験者を増やしたいという思いがありますから、下の級はあえてそういう方針だとは思いますが、級取得だけを目的にするようなことがないようにしたいですね。大事なことは英語の力を付けることなのですからね。

 今後、小学生でも英語検定取得を売りとした塾も増えます。実際、教材業者はその方向で英語検定教材をたくさん作っていますからね。とにかく、英検取得だけを目標としたことを売り文句にするところでは学力は尽きませんので、注意しましょうね。

f:id:kuri2013:20160419152904j:plain

進学塾teTsu/奈良市鳥見町1-2-11/とりみ通り

高校受験/小5~中3/小学生英語/自習室コース