TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

生徒の言葉を額面通りに受けとめてはいけない

問いかけに対しての生徒の返答は全面的に信じているようでは、先生業は務まらない。

かなり適当でいい加減な返答をする生徒はけっこういる。

 

【シーン1】

先生:「…だからこうなる。わかった?」

生徒:「だいたいわかりました」

 

 まずはこのケース。気になるのはこの「だいたい」いう言葉だ。

通常は「だいたい」とは大部分というう意味で8割程度を意識しているときに使う。

明鏡国語辞典(第二版)にも「全部ではないが、大部分。おおよそ。たいてい。あらまし。」と出ている。

 

 しかし、実際の生徒の「だいたい」は生徒によって様々なのである。成績上位の生徒はだいたい辞書通りだが、成績が中位以下になると2割~3割程度の理解(つまりほとんど分かっていない)で「だいたいわかりました」と言うケースが多い。こういう生徒には本当に分かっているかを確認しないといけない。ここをそのまま流してしまうと勉強した気で終わってしまうのだ。それくらい当てにならないのである。ひどい場合は生徒の「わかりました」は「聞こえました」くらいに思っておくべきである。

 

【シーン2】

先生:「あとどれくらいで終わりますか?」

生徒:「もうちょっとです」

 

 この会話も頻繁になされる会話だが、問題は「もうちょっと」という言い方。

普通、「もうちょっと」はもう少しで終わるということだから、場面や事柄にもよるが

「あと5分から10分程度」あるいは「あと2、3ページ」くらいのものと捉えるのが普通である。しかし、これも確認しないと心配だ。実際に確認してみると10ページも20ページも残っていたり、1時間以上かかるようなケースもある。これはこの生徒の見積もりや把握のいい加減さもあるのだが、場合によってはごまかすためにわざと言い加減な言い方をしている場合もある。「もうちょっと」の言葉が持つ曖昧さに便乗してうまく嘘をつかないでいいように生徒なりに工夫しているのだ。まあ、これ自体は利口なのだが、全体的にはひどい内容となってしまう。印象も相当悪く信頼を損ねてしまう危険性さえある。

 というわけで生徒のことは信じてはいるが、生徒の全てを信じるわけにはいかない。信じてしまっているようでは生徒になめられてしまうのだ。

 

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