身の回りにあるあたり前の物、例えば、「テレビ」や「自転車」という言葉を子供に説明させてみるとたいへん面白い。物事をどれくらい認識ているかがわかるし、語彙力や話し方や説明力もよくわかる。頭の中がたいへんよく見えるのである。しかし、これが抽象的なものになるとたいへん難易度は高い。具体的なものに説明を軽くこなしていた子供でも、突然、話すのを止め考え出す。例えば、「右」「上」などといった言葉である。これは大人でもたいへん難しい。「右」は一般的に「箸を持つ方」などと説明されるが、左利きがいる以上この説明は無効である。絶対的な物を用いないと説明はできないのだ。このたいへん難易度の高い問題を真剣に考えた後で、登場するのが国語辞典である。さすが、国語辞典だから抽象的なものもたいへん見事に説明してある。それをを読んで納得すると国語辞典の凄さや値打ちがしっかりわかるのである。
ちなみに、国語辞典では「右」は以下のように説明されている。
・日の出に向かって南側にあたるほう
・縦書きの文で前に書いてある部分
・人体を対称線に沿って二分したとき、心臓のない方。
明鏡国語辞典第二版(大修館書店)
・アナログ時計の文字盤に向かったときに、一時から五時までの表示のある側
・「明」という漢字の「月」が書かれている側と一致
新明解国語辞典の説明に膝を打つ人は多いだろう。やはり、新明解は偉大である。
さて、こういうことを家族でやるべきである。しかし、決して堅苦しい雰囲気でやってはいけない。遊びとして軽い気持ちでやればいい。食事の時や車に乗りながらでもできる。特に子供が小学生の高学年なら楽しめるだろうし、新しい遊びに発展させることができるかもしれない。わが子のこともよくわかるしいろいろな発見もあるだろう。言葉の大切さや勉強することを別の角度から見ることにもなるので有益だと思う。もちろん、私も授業でやっているし、わが子にもやったことがある。
高校受験/小5~中3/小学生英語/自習室