TETSU JUKU

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感情的な現在完了形

 中3のこの時期の英語は現在完了形である。日本語には存在しない時制なので、とっつきにくいし理解するまで時間がかかる。簡単に言えば、「過去+現在」的な時制である。だいたいどの参考書にもそんな感じで書かれているが、実はバシッと見事に解説してくれている本はほとんどない。流行の参考書はデザインだけが美しく中身はたいしたことはない。どれもこれも同じである。

 さて、現在完了形の導入としては「完了」から始めるか「継続」から始めるかのどちらかであろう。一般的には「継続」が分かりやすいし、どの本も継続が最初に登場する。学校の教科書も同じである。継続から導入する先生も多いであろう。しかし、私は現在完了形らしいのは「完了」だと思っている。(この現在完了形の分類もあまり好きではないが)

 例えば、今の季節であるが、「春が来た。」を英語で表すと(いろいろありますが)「Spring has come.」と現在完了形となる。大切なのは、この言葉を言う時の気持ちである。単に事実を述べているのではなく、この言葉の中には感情が込められている。そう、つまり「嬉しい」のである。『長い寒い冬が終わった。これで外で遊べるぞ、スポーツもできるし、花も咲く。楽しいことがたくさんあるぞ。』というような今のうれしい気持ちが含まれているのある。これをSpring came.としてしまっては今の気持ちを表せない。ただの過去に事実となってしまう。

 次も同じように考える。「私はもう宿題を終えたところです。」は現在完了形で「I have already finished my homework.」となる。これも、『やったー、やっと遊べるぜ!これで怒られないですむ。さて、何をしようかな…』のような感じだ。やっぱり現在の気持ちなのである。

 

 経験でも同じことが言える。

 I went to Disneyland.と書くと過去の事実。

 I have been to Disneyland.と書けば、現在完了形で今の気持ち・状態を表す。

だから、『ディズニーランド言ったことあるんだ。とっても楽しかったので、またディズニーランドへ行こうと思っているんだ。」或は、「俺、ディズニーランドのことは詳しいぜ…教えてやろうか…』という感情の含みが感じられる。

  一般的にはこの現在完了形の「経験」は「過去の経験を今持っているんだ」と教える先生が多いようだが、過去の事実は経験として残るのでこの説明には無理がある。どうしても強引なものを感じてしまう。

 以上のように解釈をするとモヤモヤした部分が解決しやすいのだが、ここまで言及している本はあまりない。インターネットで検索したら同じように感じている人を見つけてうれしくなった。

 

  ちなみに、「~へ行ったことがある」が「have been to~」となるのは重要ポイントであり頻出なのだが、世間の説明ではどうも納得いかない。これも自分なりの見解があるのでそのうち書きたいと思う。

 

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