TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

稲田塾のこと④

 いまや伝説となった稲田塾ですが。その伝説の姿をお伝えしたいと思います。稲田塾と言えばスタートは英語塾です。塾長の稲田勝人先生が破格の英語教師でしたから、使う教材も破格の教材でした。その教材は今や知る人ぞ知るプログレス」です。教育業界でも若い先生は知らないでしょうね。確かエデックというメーカーですね。最近は知りませんが、以前は東大寺学園などの6年一貫の私学でもよく採用されていました。相当レベルの高い教材ですから、受け止める生徒の学力はもちろん大事なのですが、教える先生の方に力がないと使えないのですよ。下手な先生が使うと、ただの「難しいテキスト」で終わってしまいます。それほどのレベルなのです。だいたい、BOOK1で完了形以外の時制は全部出てきますし、比較も3つ全部出てきます。そして、BOOK2では、受動態、完了形(過去完了も!)、そして、関係代名詞もやりますからね。関係代名詞を勉強するのは中2に夏休みになりましたね。驚きでしょ。ですからプログレス2冊で中学内容をほぼ終えるのですよ。こんな本を稲田塾は使っていたのですよ。BOOK1、BOOK2は全クラス、BOOK3を使うのは上位クラスだけでしたけど、最下位クラスでもこのレベルに食らいついていってたのですから、想像するだけでも恐ろしいレベルなのですよ。若いころは本当に教材研究をたいへんでした。(笑)

 英語に関してはもう一つ凄いところがあって、それは筆記体を使うということでした。なんと、中1の初めから筆記体を教えるのです。ブロック体を教えないのです。いきなり筆記体ですよ。授業も全部筆記体です。プリントも筆記体で答えが書いてました。ブロック体は自分で勉強しておきなさいということでしたね。今や英語の先生でも筆記体をかけない人がいるかもしれませんし、ましてや生徒なら謎の文字にしか見えないでしょうね。もちろん、当時はいろいろな生徒がいましたけど、どの生徒も上手に筆記体を書いてましたよ。最下位クラスの男子でも美しい筆記体を書く生徒は珍しくありませんでした。やはり筆記体は書くスピードが違うのと慣れてくると意外とストレスないのがメリットなのですよ。逆にブロック体の方がストレスがたまりますし、単語を覚えにくいのですよね。

 ちなみに、今でも私は筆記体を教えます。授業ではブロック体ですけど、筆記体を教えることでの教育効果もありますし、やはりかっこいいですからね。知っていて絶対に邪魔にはならないですからね。

 英語に関してはこの二点が象徴的でしたね。しかし、塾が拡大されていいくにつれて、生徒の学力層も広がり、このプログレスと筆記体を止めざるをえなくなるのです。確か2005年か2006年くらいだったと記憶しています。この決定に関しては私が当時英語科主任だったこともあり、たいへん辛い決断となりました。まさに断腸の思いでしたね。

 もちろん、英語だけでなく各教科にも他塾にはまねのできないところがたくさんありましたね。いずれまた。

 

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