TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

夏休みの宿題について…

 学校の夏休みの宿題についての是非は以前からいろんなことろで語られています。量が多いだとか、意味が分からないとか、親が手伝わないとダメだとか、全員一律はおかしい…まあこういった声がよく上がっていますね。「夏休みの宿題はゼロでいい」というような極端な意見も珍しくなく、私もどちらかと言えばそれに近い意見を持っています。問題は狙いがよくわからないことと、適切な指導がないことだと私は思います。作文にしても、ポスターや絵画にしても完全に生徒任せなんですよね。一切指導はせずに宿題が課され、上手なものは上手に、下手なものは下手なものしか作ることができない現状があります。親が手伝ったりアドバイスができるかどうかでも大きな差があります。全然公平ではないのですよ。それであれば夏休みの午前中に生徒を呼んでしっかりと指導してあげるべきだと思うのです。狙いがあれば指導は自然と生まれるものなのですよ。ですから、夏休みの宿題はどうしても「テキトー」な感じがぬぐい切れません。夏休みの宿題とは何か?の根本から考え直すべきではないかなと思っています。

 

 さて、一般的に塾は毎回の授業に対して宿題が課されますから、夏休みの宿題は存在しませんね。お盆休みに対しては宿題が課されますね。(受験生以外はあまり要りませんけどね)しかし、私は夏休みの宿題を課しています。それは天体観測です。夜空を見て星座や一等星を見つけるという宿題を出しています。まずは夏の大三角形を見つけるよう指導しています。慣れてきたら、さそり座やいて座を見つけるように指導します。夏の天体観測をする上で一番のイベントは「ペルセウス流星群」です。年にもよるのですが、当たり年はたいへん多くの流星が見られるのです。一度見れば価値観がごろっと変わりますからね。

 

 天体観測の宿題を出す一つの理由は、美しいものに触れ興味をもってほしいからなのです。世の中に美しいものはたくさんありますが、できるだけ多くの美しいものに触れて欲しいのです。美しいものに触れることが心を美しくし、高い学力を身につける上でも大事なのです。そして、その経験を通して価値観を変えて欲しいのですよ。夜空を眺めることで大宇宙の中の自分を客観的にとらえることもできますし、圧倒的なスケールを感じることが思春期には必要なことなんですよね。もう一つは理科の勉強です。理科の授業でも天体を学習するのですが、教科書だけで天体を理解するのは限界があるのです。実際に星や月の動きを目で見ておけば、理解の速さも深さも全然違いますからね。

 

 以上、夏休みの宿題についてでした。

 

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