ケース1
生徒:「明日、部活の試合で早く起きないといけないので、2時間目が終わったら早退
します。」
先生:「そうですか。わかりました。では、3時間目の内容と宿題を聞いて帰りなさ
い。」
ケース2
生徒:「先生、今日の宿題を忘れてしまったので、残ってやって帰ります。」
先生:「わかりました。そうしてください。次回から忘れないでください。」
この二つは塾内でよく見られる光景の会話ですね。問題のないように思えるかもしれませんが、もうめちゃくちゃですね。生徒も悪いですが、先生も悪いです。たぶん、この先生は経験の浅いスキルの低い先生かやる気のない先生ですね。
では、何がいけないのか、
①先生の悪いとところ
この二つのケースで先生のダメなところは生徒に何も尋ねていないということです。一方的に生徒が言うことを受けただけです。何の指導もありません。ケース1であれば、普通は次の日に何時に起きなければならないのかを尋ねます。そして、その時刻を聞いて、その早退が妥当であるかどうかを判断しないといけません。ケース2であれば、忘れた理由を徹底的に追及することと再発防止の指導が必要です。
②生徒の悪いところ
一番の問題はどっちのケースも、生徒が勝手にどうするかを決めてしまっていることですね。生徒には希望があっても、決定権はありません。ですから、どっちのケースも「相談」、「お願い」という姿勢で話をしなければならないのです。
ですから、本来は次のように言うべきですね。
「明日、部活で早いので早退してもいいですか。(早退したいのですが。)」
「すみません。〇〇の事情で宿題を忘れました。どうすればいいですようか。」
それに対して、先生が必要な質問をして、適切な指示をするのが理想ですね。こういうやり取りを通して、生徒はいろいろなことを学びます。また、勉強に対する価値観も形成していくのです。適当に対応してしまうと、勉強に対する考え方は進歩しませんし、学力向上の妨げにもなります。
進学塾teTsu・塾長栗本博也