TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

「漢字の読み飛ばし」は意外にある

 随分と前に低学力の生徒を教えたとき、驚くべきことを口にした。

「僕は漢字をほとんど読み飛ばしている」

 その生徒は中3だった。単に学力は低いというだけでなく、中3の割には語彙力は低く、思考力も弱い。そして、漢字をほとんど知らない。小学生の低学年並みの漢字力だった。絶望的である。集団塾に通ってる場合ではない。彼は夏期講習会に来たのだが、入塾はお断りした。

 

 さて、ここまで極端な生徒は珍しいが、「漢字を読み飛ばしている」生徒は少なくない。偏差値50程度の生徒の中には意外に多くいる。偏差値50を下回るとたいへん多くいる。読めない漢字を調べるのは面倒くさいというのもあるし、そもそも漢字なんてどうでもいいと思っているかもしれないし、漢字に何の価値も感じていないということだろう。しかし、漢字だけの問題で済めばいいのだが、この呼び飛ばし問題は他教科にも影響する大問題となる。漢字力が低いということは専門的な言葉は理解できない。理科や社会の専門的なことは理解できない。

 そして、読み飛ばすだけならいいが、読めない漢字を自分が思うまま適当に読んでいるという可能性もある。ということは単に知らない、読めないだけでなく、間違った情報がどんどん積み重ねられているということでもある。これが長年続くと本当に矯正できない。どうにもならなくなるのである。単に低学力というだけの問題では済まないのだ。

 だから親や先生やこの辺りには目を光らせておく必要がある。特に小学校中学年くらいから勉強に対するいい加減さを感じたら「読み飛ばし」あるいは「でたらめ読み」があるかどうかを確認しておくべきだろう。書き順がおかしいのも絶対に見逃してはいけないのだ。極端な話として他人事にしてはいけないと思う。

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