TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

筆算の線を定規で書かなかったからどうだと言うのだ…

いうんだ 筆算の線を書くのに定規を使わないうんだで、書き直しをさせた先生がいたらしい。なんと160問も。ネットでもたいへんいろいろな意見が飛び交っていたが、定規を使わなかったことの何がいけないのだろうか。計算が正しくできていても線が歪んでいたらダメというのは、指導の目標はどこにあるのか…。もちろん、美しく書けることにこしたことはない。乱雑な文字や線の歪みはミスの原因にもなるし、美しくかけるように指導することは意味がある。しかし、定規を使う必要はない。どちらかと言えば、定規を使わずにまっすぐな線を書けるようになった方がいいのでは...、時間をかけてもいいからじっくり指導してやればいいのだ。

 でも、いったい何がいけないのか…。一つ言えることは、この生徒は「先生の指導通りにできていない」ということだろうか。なるほど、その面は確かにそうだ。実際、低学力の生徒には先生の指示指導通りにやらない生徒は非常に多い。先生をしている人なら、多くの人がうなずくだろう。この生徒も指導に従っていない。単に聞き分けの無い生徒である可能性はあるし、今後も伸び悩む可能性はある。しかし、先生の指導に従わなかったということは、生徒自身が納得していないということである。しかも、筆算で定規を使うことは日ごろから指導していることらしいので、生徒としては相当な不満があることが分かる。先生の指導に意味を感じてないのである。「無駄」としか感じていないから従わなかったのである。答えがあっていれば問題ないという判断をしたのだろう。何の疑問も持たずに盲目的に従うよりは相当立派だと思う。それに対して、日ごろから指導しているにも関わらず、生徒が納得もせず、やろうとさせられてない先生の側はどうだろうか、明らかに指導力がないということだし、指導内容が不適切であるということだと言える。生徒に偉そうに言う前に自身の指導を検証するだろう。

 

 この件については問題がもう一つある。それは「160問の書き直し」である。ここがもっともおかしな部分で、この先生のもっともダメなところが出ている。160問も書き直しをさせて生徒はどう思うだろうか…、納得いかない指導に従わなかっただけでこの罰ゲーム的なやり方に、さらに反発が出るのは必至だ。自分の低次元の指導を棚に上げて生徒に罰を与えるというのだから、これは教育者としては失格だ。おそらく、この生徒は算数を嫌うだろう。そして先生を嫌う、いや、恨むだろう。そして一生忘れないだろう。生徒に恨み心を抱かせるとは本当に救いようがない。

 

 一事が万事とよく言う。恐らく、この先生は他にも問題があるはず。新たな被害が出ないようにしてもらいたいものだ。

 

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