TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

塾が大きくある必要はない

 教えていると痛感するのが、個別指導をするより集団授業の方が圧倒的に無駄やロスが多いということです。集団で動かすとなると当然、全員の理解や達成度を意識しないといけませんから、どうしても遅くなります。その集団が大きくなればなるほど無駄やロスもどんどん膨大になるのです。プリント一枚配布するのにも、個別なら一秒かかりませんが、集団だと数十秒から1分程度は無駄になってしまうのです。こんな調子ですから、集団授業を検証すると驚く程の無駄な時間があるのですよ。ベテランの先生はこの無駄をできるだけ小さくするように心がけるのですが、経験の浅い先生や下手な先生の授業は授業内容以前の問題として、この無駄・ロスが非常に大きいのですよね。

 

 ですから、効率よく授業を受けようと思えば圧倒的に個別指導は優れているわけです。しかし、他者との競争や周りの刺激がほとんどなく、他者に合わせることで自分の力を引き上げるうという観点では非常に弱いわけです。弱点を補うときはいいのですが、長い目で見ると結局伸び悩むケースが意外にあります。ですから、理想的には個別指導と集団授業をバランスよく取り入れることですが、運営が難しく現実的ではありません。従って少人数の集団授業形式がベストということになるのです。そもそも、一クラスが20名以上になると生徒一人一人の学力把握が十分にできませんからね。無駄やロスと言う以前の問題なのです。

 

 大きくなれば小回りが利かなくなり、無駄やロスが増えるのはどの組織にも言えることです。クラスの人数だけでなく塾そのものが大きくなると、授業外でもこの無駄とロスが非常に多くなるのです。しかし、中1や中2の間はあまり意識してないのですよ。中3になると急にこの無駄やロスが気になるのです。例えば、「質問の順番が回ってこない」あるいは「提出した作文の添削がなかなか返却されない」こういったことが結構頻繁にあるんですよね。大きい塾でもまともな塾は、こういうことにもきっちり配慮して運営しているのですが、こういう塾は稀ですね。ですから、ボーダーライン付近で受験する場合は本当にストレスですし、それだけでなく、実際学力そのものに影響しますからね、場合によっては合否を分けるのです。

 

 何事もですが、大きくなると安定します。そしてその安定が安心を与えてくれるのです。しかし、これだけの無駄とロスを生む場所が安心を与えてくれるとは、どうも考えられないのです。実はたいへん空虚なものなのです。勘違いしているだけなのですよ。20年以上前は大きな塾と小さな塾は圧倒的な差がありました。しかし、大手塾にあるものは小さな個人塾にもあります。大手塾でしか手に入らないものは随分と減りました。それであれば、わざわざ、融通の利かないの無駄の多いところにわざわざ通うのは疑問でしかないのです。適度なサイズの個人塾がいいと思いまけどね。塾が大きくある必要などどこにもないのです。

 夏期講習の募集の時期ですが、塾選びをする上でこういう観点で考えるのもいいかなと思います。

 

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