TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

傾向と対策の裏

 入試においては「傾向と対策」は大事ですよね。どんな問題が出るのかどん水準の問題なのか、たいへん気になるところです。実際、知らないと損をしますし、遠回りの勉強になるのも避けたいですよね。ですから、塾が存在し、効率よく重要なところを学びたいと思う方々が塾に集まり、また塾はその指導を売りにしているわけです。しかし、何事にも限度がありますし、あまり塾の指導に依存させるようなやり方ではダメですし、また、弱みに付け込むような指導で儲けようとするのダメなのです。

 丁度、二学期の期末テストが終わると、大きな塾では学校別(私立)に出題傾向を分析したものを用意して配布するわけです。受験意識を高め受験生としての気持ちを盛り上げるものであればいいのですが、そうではありません。その傾向と対策にはいろいろなことが書かれてあり、やることが手に取るようにわかるわけです。すると教材が必要になりますから、対応する教材も用意されています。さらにはその教材を活用する授業もきっちりと存在しており、もちろん、それは有料で追加料金となるのです。入試が迫ってくる不安な時にそんな品物があれば、だれもが飛びつくわけですよ。多少値段が高くてもありがたく思えるのです。もちろん、塾も儲かりますから、表面的には「ウィン・ウィンの関係」が成立しているように見えます。でも、おかしいのですよ。本来はそんな直前対策をしなくてもいいように、学力を仕込んでいおく必要があるわけですよ。そして、生徒側にも自分が受ける学校の傾向くらいは自分で学習して分析できるように指導しておくべきなんですよ。実際、過去問を3年も解けば生徒でも表面的な傾向はわかります。自分が何をするべきかはわかるものです。生徒が気づかない深い部分については先生がきっっちり指導してあげればいいのです。できれば、それも与えるよりは生徒が気づくように仕向けたいものです。生徒に何一つ考えさせないで、全部指示して、依存させ、高額な商品がなければ何もできない状態を作り儲けにつなげているのですから、ちょっとした詐欺集団ですよ。

 入試直前の3カ月、生徒の力は驚く程伸びるのですが、塾がこの有様ですから伸びるものも伸びませんし、下手すると通るものも通らないのです。

 傾向と対策…って非常に進学塾らしい言葉なのですが、声高にこれを語っている様子は私はたいへん偽善的で気持ち悪く、あほらしく感じるのですよ。大切なものは何なのか、やるべきことは何かをしっかりと考える塾でありたいですね。

 

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