TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

入塾前の無料講座も問題だけど、入塾後の有料講座も問題

 冬期講習を無料で受講できる塾が増えていますね。大手塾はほとんど何らかの無料講座を導入しています。消費者からするとありがたいのですが、少し冷静にならなければなりません。何事にもお金はかかりますから、無料ということはどこかで犠牲になっているということです。塾の場合は人件費を削るということです。これが続くと、先生に払われるべきお金が払われなくなります。当然、先生のモチベーションは上がりません。力のある先生は辞めます。そして良い先生はいなくなります。教務力は確実に落ちます。すると塾内で揉めます。現場と本部で対立が始まります。先生同士もぎすぎすします。当然、生徒指導に影響がでます。だから無料講座を始めると数年以内に塾はダメになります。そういうものです。

 しかし、別のパターンがあります。いろいろな無料の特典があって喜んでいても、入塾後に回収されることがあります。結構あります。様々な課金を要求されるのです。教材を買わされたり、正規の授業以外の授業を受けさせられたり、合宿やイベントに強制的に参加させられたり、気が付いたらたいへんな額面を払っているということも珍しくありません。確実成績が上がり志望校に合格するのであれば、まだ目を許せるのですが、そうでもないですからね。特に合宿は無駄ですね。高額なだけの合宿は非常に多いです。

 ちなみに、中3でよくある志望校別の別料金の特別講座は本当にうさん臭さいですね。例えば近大附属高校を受ける生徒だけを対象にクラスを作り、徹底的に入試傾向に沿って授業をするというものです。実際私立高校は学校によって傾向は違いますけどね、そんな特別授業を受けなくても合格できる力をつけないといけませんし、そういうカリキュラムで指導していないと、進学塾としては失格なんですよね。本当に、特別授業が必要なら、正直なところ、それまで何をしていたんだと言わざるを得ない有様ですよ。塾としては生徒や保護者の弱みに付け込んで特別授業を設定します。分かってるですよ。そこまでやらなくても合格できるのが分かっているのに…。本当にいやらしいやりかたですよね。それが現状です。

 自分が受ける学校の出題傾向くらいは自分で分析できないといけませんし、先生はそうするよう指導するべきですよ。そして、生徒は分からないところは自分で調べたり質問をするようすればいい。わざわざ高い金を払ってアホみたいな特別授業を受けるのはもったいないのです。

 

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