TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

言葉を知らないと…

 言葉を選びたいのであれば、言葉を知らなければならない。自分の中に言葉が無ければ選びたくても選べないし、そもそも言葉を選ぶという発想さえ浮かばない。言葉を知らなければ、平易な言葉で、語義の広い言葉で、当たり障りのない紋切り型の表現で、ごもっともな事柄をごもっとに語って終わることになる。なんか味気ないし、そんな会話は全然面白くない。さらには「しょうもないやつ」と思われる危険性もある。しょうもないやつという評価で済めばいいけど、言葉を選べなければ自分の気持ちや考えを的確に表現することは難しい。大雑把にしか自分の考えを伝えられない。微妙な気持ちを伝えることは無理なのだ。それはつまり自分を正しく理解してもらえないということにつながる。ということは相手の微妙は気持ちを理解することも難しいということでもある。微妙な自分の気持ちを的確に表現できない人が相手の機微に触れることなどできない。そんな人に魅力はない。

 言葉を知らなければ、いただく言葉も正しく受け止めることができない。たいへん気遣いのある優しい言葉を頂いても理解できなければ、相手の気持ちに対して感謝できないし相手の人柄さえ理解できない。相手からすれば「しょうもない人」でしかない。たかが言葉一つかもしれないけどされど言葉である。言葉というものははなはだ玄妙である。

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