TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

文武両道は正しいのか…

 勉強と部活の両立を目標としている生徒は多いし、またそれを推奨する先生や保護者も多い。私も両方できた方がいいと思っているし、勉強も運動もバランスよく取り組ませたいと思っている。しかし、この両立は非常に難易度の高いことであり、達成できている生徒はごく一部だ。多くの生徒がどっちもつかずの中途半端であったり、完全に部活の方に引っ張られて両立とは程遠い状況の生徒だ。しかし、両立の厳しさは部活動によっても全然違うし、勉強の基準をどこに置くかによっても異なってくる。先生の理想的観点で見れば、両立とは程遠くても、実際生徒も親も満足しているケースもある。よって、部活と勉強の両立は極めて主観的なものであり、その基準を絶対的に決めることはナンセンスであり、決めることはできない。そんな状況で定義するとすれば、目標とする学業成績が修められているかどうかである。通知表で3が揃っていればいい生徒もいれば、5が並んでいなければならない生徒もいる。この両者を一つの基準で見ることは無理なのである。しかし、通知表の3はかなり学力に差がある。4に近い生徒は定期考査で平均点を取れているが、2に近い3の生徒は平均を下回っている生徒が多い。提出物やノート点がなければ、2になってしまう生徒も多い。だから3というのは何とも言えない評価で決して満足できる評価ではない。部活ばっかりしていて、3が取れているからと言って安心するのはおかしいし、それで両立ができていると言えないのだ。せめてオール3ではなく半分は4が取れないと両立ができているとは言いたくない。そして、そこに関しては学校の先生がもっときっちりと指導しないといけない。定期考査の結果によって部活動を制限するべきである。勉強を放棄して部活動に熱心になることなんて美しくもなんともないし、生徒の将来を考えるのなら部活動を停止して勉強させるべきである。これをできない学校はわけのわからない場所なのである。生徒の将来など何も考えていない。先生たちの自己満足だけで部活を運営しているのではないかと思ってしまうようなやり方だ。

 最近になってやっと部活動の在り方が問題視されるようになった。この2年ほどを見てもかなりの進歩を感じられるよになった。しかし、旧態依然の部活もまだまだある。たいへんなエネルギーを部活に注いでいる生徒も多い。貴重な時間を全て部活に注いでいる生徒もいる。公立中学の部活動としてはあまりにも不適切と言わざるを得ない部活がまだある。なんとかまともな運営をお願いしたいものだ。

 勉強と部活動の両立をかっこよく言うと「文武両道」となる。この言葉を指導方針として大きく掲げている学校も多い。なかなかいい響きの言葉だし字面もいい。でも「文」と「武」は対等ではない。また比較するものでもない。「文」がダメなら「武」だという考え方も正しいとは思わない。「武」は「文」があってこそきっちりと成り立つものであり、「文」は全ての土台である。「文」がなければ「武」の伸びの限界がいある。生きていくためには「武」ではなく「文」が必要だ。こんな基本的なことを見失ってはいけない。教育関係者は目を覚まさなければならない。

 

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