問題集のまとめのページをさして
「これを覚えないとだめですか？」
と尋ねた生徒がいました。
さて、この質問に何を感じることができるでしょうか。
私はこれを尋ねられたとき、「もちろん」と答えました。
しかし、その後で厳しいことを言いました。
どの問題集でもまとめのページと言うのは、いわゆる「ポイント」がきっちりとまとめられていて、大事なことしか書かれていないページなのですよ。そのページ内容をしっかりと身につけて理解すると、基本問題からから応用問題までどんな問題にも対応できうるようになっているわけです。いきなり全部を覚えることはできませんが、問題を解きながら、何度も繰り返しながら覚えていかなければなりません。つまり、覚えないと勉強は始まらないわけですし、覚えようという姿勢がないとダメなわけですよ。従って「これを覚えないとだめですか？」という質問が出ることが極めて不自然で、ありえない質問なわけです。教科書のページの隅っこにある小さい吹き出しを指して尋ねるのならまだしも、ページ全体が「ポイント」ですよ。つまり「出る」ところですからね。そのページに対していちいちどうするかを尋ねることは意味のないことであり、その質問が出るというのは「積極的な勉強に対する姿勢がない」ということなのです。
だから、私は「もちろん」の後に厳しいことを言ったわけです。この質問にこの生徒の学習姿勢が全て出ているわけです。この質問が出る根本を矯正しないと学習効率は上がりませんし、できるようにはならないのです。せっかく勉強時間をかけるのですから、こういうところを直すとあらゆることが好転していくでしょう。伸び悩む生徒の多くが努力不足ですが、その努力不足の根本を矯正しないといけないのです。
ちなみに、できる生徒は何も言わずにすぐに覚えます。
そういうことなのです。
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