TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

そのやり方では生徒がダメになる

 塾の対策授業が生徒や教育をダメにしてるということをどれだけの塾の先生は意識してるでしょうか。類似の問題を何度もやらせ、過去問を何枚も配り、とんでもない量の課題を課し、できていなければとことん残し、理解することを放置してとにかく丸暗記させ、どの生徒も同じ基準で評価し、それでも結果がダメなら「やり方がダメ」だとか「勉強が足りない」などとって責めて、生徒はやる気になるどころか勉強の重しらを感じることなく、ひたすら入試のため、内申点のためと思って言われるままになっている。こんなふうになりがちな塾はたくさんあります。それほど大量にやらせなくてもできる生徒はたくさんいますし、やることが大量過ぎて逆に作業にしかならない生徒もいます。塾側としてはとにかく点数を取らせたい、自分の塾から高得点者がたくさんでると評価が上がると思ってやっています。生徒のことではなくて塾の繁栄が主たる目的になっている塾さえあるでしょう。(もちろん、評価は大事ですよ)

 間もなく、中間考査が始まりますが、中1は中学生になる前から先取り授業(いわゆる中学準備講座)をし、春期講習でも先取りをし、対策授業でまた同じようなことを繰り返している塾があります。そりゃあ、何回もやらせれば、高得点が取れますよね。もちろん学力を高める基本は反復ですから大事なことではありますが、最初の簡単なレベルの内容をこんだけ何度もやる必要はないのですよ。このやり方で取った得点は学力にはならないですし、生徒は自身で考えなくなりますし、先生に依存することしかできなくなるのですよ。

 生徒にはもっと考えさなければなりません。テスト範囲がどうなっていて、大事なことは何なのか、いついつまでに何を覚えて、提出物はいついつまでに仕上げて、自分の弱点はどこで、直前には何をするべきかをまとめ、作戦をたてないといけないのです。必要であれば自習室を活用し、わからないことは先生に質問し、教材が足りないなら先生にもらい、ああでもないこうでもないと考えながら勉強を進めていくことで、自分にふさわしい方法を手に入れ学習力を高めていくのです。ですから、私は定期考査対策のときは宿題はあまり出しません。最低レベルの指示はしますが、あとは生徒に任せます。もちろん、難問の解説や頻度の高い問題は授業では扱いますよ。しかし、それは勉強全体の一部分であってメインではないのですよ。ですから生徒によっては時間はかかりますが、確実に力はついてきますし、勉強法も身につけていきます。

 テストの得点はもちろん大事ですが、得点だけを追い求めるとおかしなことになるのです。生徒のためといいなが結果として生徒ためにはなっていないのです。

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