TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

2019年の奈良県の公立高校入試は荒れるだろう

 以前から話題になっていますように、奈良県の公立高校の再編に関係して、2019年の公立入試は相当荒れると思います。奈良市は平城高校・登美ヶ丘高校・西ノ京高校が集約され二校となります。つまり、一校が減ることになるわけです。平城高校は2019年入試ではまだ受験できますが、消えゆく学校へわざわざ進学しようと思う生徒は多くないはずです。もちろん、人気が下がることを狙う生徒もいるとは思います。しかし、消滅することが明らかになっている学校に積極的に進学する生徒は多くないはずです。ということは本来平城高校を受験する生徒は周辺の高校に散らばることになります。上位層は郡山高校、中位や下位層は奈良北高校、一条高校へと動くでしょう。そして、登美ヶ丘は平城高校よりは1年長く残りますが、同様に考える生徒は必ずいますから、上位層は奈良北高校、一条高校へ、中位・下位層の生徒は生駒高校へ、西ノ京の生徒も生駒高校へ流れるでしょう。郡山高校、一条高校はたいへんな人気校です。毎年の入試倍率はトップレベルの高さです。特に一条高校は最近は1.3倍前後の倍率が続いていますから、下手すると1.5倍程度になる可能性があります。生駒高校も年にもよりますが、人気の無い高校ではありません。同様に高倍率になる可能性は否定できないのです。奈良北高校はここ数年の倍率が低すぎたので適正になるかもしれません。

 

 

 それともう一つ大きな問題は奈良高校の校舎問題です。耐震基準問題が放置され危険な状態が続いています。特にショッキングなのは奈良市が避難所の指定を解除したことです。避難所としてふさわしくないほどの危険な状態なのですから、早急に対処しな限り、次の高校入試にも影響はでるのですよ。危険と分かってる学校へだれが好んで通うでしょうか。生徒本人ももちろんですが、保護者、家族・親族はは冷静ではいられないのです。もちろん、学校や塾の先生も危険極まる高校をどうして勧めることができるでしょうか。まともな神経を持っていれば、回避しますよ。奈良高校を受ける上位層なら私立に目を向ければ他にも魅力的な進学校はたくさんありますし、中位以下でも畝傍高校や郡山高校があるのです。この奈良高校の問題は命にかかわりますので、再編で消えゆく学校とは次元の異なる問題を抱えているわけです。ですから、公立高校の入試全体がこの二つの大問題のために非常に不安定で先読みができない状況なのです。今までの進路指導のデータが機能しなくなるのは見えているのです。奈良県にはこの状況を早急に改善して欲しいですし、生徒や保護者がなっとくできる入試が行われるように手を打たなければならないのです。そして、生徒はこの厳しい入試を乗り越えるためにしっかりとした実力をつけないといけないのです。

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