TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

朝課外に関して

部活問題に似ている

 最近、九州全域に見られる公立高校の「朝課外」が話題になっています。ゼロ時間目とも言われており、正規の授業の前に一コマを設けて勉強する時間を確保するものであるようです。7時30分からの45分間がその時間になっているようですね。これに対して生徒や教員から大きな不満があるようで最近バラエティ番組でも取り上げられていました。一番の不満は朝が早いための寝不足のようですね。通学に一あ時間程かかる生徒であれば、6時半に家を出ます。そうなると起きるのは遅くても6:00ですね。確かに早いですけど、異常なほどの早さではないですよね。(夜型の塾の先生が言うのも変ですけど)23時に寝れば十分睡眠時間を確保できると思うのですが、なかなか難しいようです。なんとこの朝課外30年ほど前からあるようです。結構な歴史があるのですよね。でも、こういう不平・不満は当時からもあったと思います。また、九州全域で行われているようですから話題に上がってもおかしくないはずなのですが、今頃になってざわざわしてきているのですよ。きっと、大きな力で押さえつけられてきたのでしょう。先生の中にも疑問を持つものが多いはずですが、声を上げてももみ消されるようなことがあったかもしれませんね。詳細はわかりませんので、断定はできませんが、部活問題と同じような構造があるような気がします。

 しかし、このやり方もそれになりの効果があれば文句にはあらないでしょう。先生も生徒もこの時間に意味を見いだせていないあら文句がでるのですよ。また、残念なのが表向き参加は「任意」ということですが、ほとんど強制であることが生徒は納得できないのですよ。大人の汚い理不尽なやり方だけが目の前に示されているのですから、それは気分も悪いし、納得はしません。理不尽なことを学ぶことは大事ですが、それとこれとは違う問題でしょうね。きっちり強制とすれば(強制すれば別の問題があるのでしょうが)少なくとも入り口段階でのくだらない疑問や不信感は大幅に消すことができるはずです。疑心暗鬼をわざわざ作っておいてやるからおかしなことになっているのです。

他にやり方はないのか

 気になるのは30年前から始まってずっと同じやり方である事です。朝でなくてもいいはずです。放課後はどうなんでしょうか?また、土曜日の活用は?夏期休暇の活用もできますよ。時間が必要なら朝以外にも時間を見つけることができますよ。あとは部活の制限も必要でしょう。部活ばかり自由気ままにやらせておいて学習時間がないというのも子供の言い訳です。もちろん、私立とは違い資源には限りがありますけどね、知恵を絞ればもっと他にいいことができたはずですよ。決まったことだからをやらないといけないという愚直さがこういう結果になっているのでしょう。この辺は、先の女人禁制問題にも通ずるものがあります。

 勉強しない生徒を勉強させるために強制力を働かすのはある意味必要だと思います。こういうことは塾でもよくやりますよ。しかし、高校生ですから全員にこの方法を当てはめるのはどうでしょうかね。特に上位の進学校では勉強を強制されるようではいけません。生徒自身が主体的に勉強することを指導していかないといけません。そして、生徒自身がしっかりと自分の頭で考えて生活をし、勉強しないといけないのですよ。そうすることができるように先生は指導するのですよ。様々な話をしながら気持ちを盛り上げ鼓舞していくのが先生です。こんな思考停止のやり方では先生の指導力も育たないのではないかと思います。

 でも、問題はあるにせよ、なんとかしなくてはと思って特別なことをやりだした心意気は大事ですよ。何もしない公立高校は多いですし、危機感のかけらもない地域と比べるとましですけどね。これを機に各地域でも話題にし新しい取り組みをしていただきたいものです。

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