TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

美術のテスト

 美術のテストでは、有名な絵画や彫刻などの作者と作品名を覚えているかどうかを試すものが多いです。最近では、芸術性の高い仏像や宝物の名称や作者を答えさせる問題が増えてきましたね。例えば、「釈迦三尊像」「螺鈿紫檀五弦琵琶」「薬師如来像」など、このレベルのことが出題されるのです。しかも20題~30題ほどあり、そのうち10題ほどは漢字指定なのです。どれが漢字指定かは事前に示されています。これらは中1の生徒にはほとんど馴染みがないものですから、名前を覚えるだけも大変で、更に漢字までとなると相当なハードルとなります。大人でも漢字はつらいですよね。

 さて、こういう出題を皆さんはどう思われるでしょうか。「何の意味があるんだ」と言う人もいるでしょうが、それを言ってしまうと子供と同じですね。このタイミングでこれらの名前を覚えていても別にそれほど得はしませんし、学力が大幅に上がるわけでもありません。社会の授業で多少プラスになる程度でしょうね。しかし、語彙が増えるということは大きなことです。少しでも読める漢字が多いということは、学力の土台を固める上で大事になります。もちろん、大人になったらこういうことは教養となるわけですからね。そして、別の観点では、実技教科って何を勉強すればいいか困ることが多いですよね。そういう意味では明快でいいですね。ある程度努力も評価できますし、その努力が反映されやすいですしね。これがエスカレートして50題以上出題されたりすると別の問題が発生しますけど、この程度だとむしろ良いと思っています。

 あらゆる勉強に即効性を求めることは間違っていますし、勉強を全て何かの結果につなげようとするのも間違っています。勉強の効果は様々ですが無駄な勉強などありませんし、大事なことは学んだことに意味をもたせたり有効にできる力ですね。

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