TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

シェルターが再び

 最近の緊迫した半島情勢に関連して、シェルターという言葉を聞くようようになった。

shelter:避難所・隠れ場・収容施設など。

 

ちなみに、air -raid shelterとすれば防空壕となる。実際には「核シェルター」というふうに使われている。核攻撃や放射能から身を守るための避難所の事である。

 

 さて、このシェルターという言葉は我々の世代以上であれば別に新しい言葉でも、難しい言葉でもない。実は以前(といっても1980年前半頃)によく聞いた言葉なのである。当時は冷戦の真っ只中。米ソのにらみ合いが続き、世界は完全に西側と東側に別れていた。「第三次世界大戦」や「核戦争」という言葉を日常的に聞くだけでなく自ら発していた。大人が言うのでなく、子どもたちの会話にも自然と出てくる言葉だった。当時の中学生以上の子どもたちは「第三次世界大戦が起きたらどうする…」「米ソのどっちが強い?」実際にこんな会話をしていたのだ。そして、そういった会話で話題になっていたのが「シェルター」である。「あの家にはシェルターがあるらしいぞ」なんていう噂は頻繁に聞いたし、大きな家を見ると、「シェルターがありそうだな」と思ったものである。日本の80年代はバブルのイメージで明るいものを想像するものだが、バブルが盛り上がる前には、皆が相当な危機感を抱いていたのである。そういう時代だった。ソ連の解体とともに急速にこの緊張感は消えたけど。

 実は去年くらいに生徒にシェルターという言葉を知っているかを尋ねたことがあったが、中学生は誰も知らなかった。高校生でも英語の長文で目にするまでは知らない。長らくそんな状態だった。日本がいかに平和だったかがよく分かる。

 この半島危機はどう収まるかはわからないけど、この機会に大人も子供も平和の意味やそれを守ることを考えるべきだと思う。平和を願うだけではなくってね。

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