TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

姿を消したステレオ

 我々が子供の頃は、レコードを聴くためにはステレオが必要だった。80年代に入るまではステレオはかなりの大型で、結構な場所をとったものである。かなり存在感があったし、もちろんぜいたく品でもあった。大きなステレオセットの存在がステータスでもあったし、若者は立派なステレオを欲しがったものである。今では、本当に聞かないが、「オーディオマニア」というジャンルもあったのだ。それが、80年代に入るとあらゆるものの小型化が進む。ステレオも小型化が進み、80年代中盤ころから「ミニコンポ」というものが流行りだす。コンパクトにしても、性能を落とさずに良い音を出すことができるようになったのだ。中には、レコードのLP版の直径よりも奥行の短いコンポまで現れて、当時の若者は驚いた。どういうことか…レコードがプレーヤーの本体からはみ出すのである。レコードプレーヤーが従来の4分の1の大きさになっており、常にレコードの4分の3がはみ出しているのである。回転すると、まるでヘリコプターの羽が回転しているように見えるので、「ヘリコンポ」と名付けたようだ。(そういえば、縦型のプレーヤーもあったぞ。)

f:id:kuri2013:20160703134046j:plain☜これがヘリコンポ!

そのあと、ウォークマンのカセットテープがはみ出すもまでが登場する。本当に面白い時代だったし、じわじわとバブル景気に進んでいくころである。

 そういう70年代~80年代の娯楽の代表が、レコードを聴くことであった。大きなステレオの前で、LP版を並べて歌詞カードを広げて音楽を聴くことが、結構ぜいたくで、かっこよくて、最高の娯楽だったのである。日曜日はどこへも出かけなくても、そんな緩やかな過ごし方にこの上ない幸福を感じたものである。

 その後、CDが登場するとさらにステレオの小型化が進み、ミニコンポは90年代に入ると廃れ始める。さらに小さいものが生まれ、場所を取らなくなってくる。そして、90年代の広範に入ると家庭にはステレオの代わりにパソコンが居座るようになり、パソコンで音楽を聴き始めるようになった。そして、さらに10年が経過し、パソコンも小さくなり、スマホが登場し…という具合である。だから21世紀に入って生まれた子供たちはレコードはおろか、ステレオの存在を知らない。各家庭のリビングにももちろんないのである。「ステレオ」という言葉が死語となる時代はそれほど先ではなさそうだ。まあ、残念ではあるが世の変化というのはそういうものだろう。

 そういえば、先日、小5の国語の授業で「蚊帳」という言葉が登場した。さすがに知らないだろうと思い、教材研究の段階で解説することを予定していたのだが、なんと多くの子供が知っていたのである。なぜか?それはアニメのおかげである。「蚊帳」が「トトロ」や「火垂るの墓」に登場するのである。ほとんどの子供がどちらかを見ているので、知っていたのである。ものがなくなって死語になってもこういう形で認識できれば悪いことではないし、古い時代の物、古い時代を描いた物はそういう意味でも価値があると思った。

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小5~中2は7月21日、中3は7月22日から始まります。