TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

中学英語の山場

 どの教科でも勉強を進めていく上で山場となる単元があります。ややこしくて複雑で理解し定着するまで時間のかかる単元です。これは全員に共通している単元もあれば生徒の学力によっても異なります。山の位置や大きさは学力によっても異なるのです。中1英語の場合はbe動詞文と一般動詞文が最も大きな山場になるでしょうね。ですから、このあたりはどの塾でも力を入れています。まあ、もっともなところです。しかし、学力中位以下の生徒にとってはもう一つ厄介な単元があります。それは「代名詞」なのです。学力上位の生徒にとっては何でもない単元かもしれませんが、苦労する生徒はたくさんいます。大きな塾はできる子に合わせてカリキュラムを作っていますので、この代名詞の扱いはたいへん軽いもになります。だいたい上位の生徒しか教えない先生はここに山があることを分かっていません。そんなものなのです。

 さて、一体どこにひっかかるのか、まずは「彼」とか「彼女」という言葉が日常的でないことです。彼らが認識しているのは「恋人」という意味の「彼」「彼女」であって、代名詞としての用法は日常的ではありません。そして日本語の主語は省略されることが多く、代名詞そのものの理解がないのです。

 

例えば、

母:「山田君何部に入ったん?」

子:「サッカー」或は、もう少し丁寧に答えると、「サッカー部に入ってん。」

となりますが、どちらも主語はないですが会話は成立してしまうのです。これがあたり前の生徒にとって英語の代名詞を受け入れ、理解するには結構な時間がかかるます。トップレベルのできる生徒はこういうことは自然に定着させますが、そんな賢い生徒ばかりではありません。大きな塾ではこの代名詞をできる生徒のペースでやってしまい、伸び悩むケースが多いのです。中2や中3で途中から入塾する生徒で英語が苦手な者はほぼ全員がこの代名詞がダメなのです。他にもいくつかもの山場はありますが、それにうまく対処していくのが腕の見せどころですね。

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