TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

何を学ぶべきなのか

以前、英語教材の〇〇ラーニングのCMで、

「外国人に、英語で日本の文化を紹介できるといいですよね」と言ってました。

だから、英語を始めようという宣伝だったのです。

私はこの宣伝文句にたいへん違和感を覚えました。

 ①外国人に日本の文化を紹介する場面はあるのか?

 ②日本の文化とは、どこからどこまでを指すのか?

 ③そもそも日本語で日本の文化を説明できるのか?

 

①はそういう外国人と接する職業に就いていないとそうそうありません。

 目的地までの道くらいは尋ねられるでしょうが、

 例えば、街頭で「能と狂言はどうちがうのですか」とか「なぜ、冬至にカボチャを食べるのですか」などと道端で突然問われることはありえませんよね。

 

②マンガやアニメも立派な文化ですし、歌舞伎などは伝統的な文化ですよね。

 もちろんエンターテイメントだけではありません。文化は驚くほど多岐にわたります。この宣伝での文化とは何を指しているのでしょうか?わかりません。

 

③仮にこのような日本の文化を日本語で説明しようとしても、たいへんな教養が必要となります。こんなことをすらすら説明できる人はその業界の専門家であるか、研究者でしょうね。我々は日本人でありながら日本のことなど何も知りません。そんな状態で英語で説明するっておかしな話です。まず、日本のことを理解して学ぶことが大事なのです。

 

 そこで、言いたいことは、「英語を学ぶ前に学ぶべきことがある」ということですね。もちろん、語学はできるにこしたことはありません。英語ができるとチャンスも増えるし、入手できる情報は驚くほど増えるでしょう。しかし、物事には順番があります。まず、日本語を理解し使えるようにならないと外国語の習得は基本レベルで終わってしまいます。抽象度が高くなればなるほど、母国語力の高さがものをいうのです。

 そして、何よりも自国の文化を理解することが、文化を継承し伝統を守ることになります。自国の文化を理解すれば外国へ発信できるのです。それもできないのに、外国人にどうやって日本の文化を説明できるのでしょうか。

 自国の文化を深く理解するにはやっぱり教育ですね。もちろん授業で触れてはいますが、お粗末なレベルです。「社会」でも「国語」でもどちらでも学習するでしょうが、実際の歴史の授業では政治史ばかりで、文化史は適当に流されることが多いですよね。それでは、日本文化のことなど分かるわけがありません。世代間の断絶も進む中、学校教育でそういう時間をとるべきでだと思います。私は小学生に英語を教えることは反対というわけではありませんが、英語よりも優先すべものがたくさんあると思っています。

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