TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

文法用語は難しいのか

 英語指導において、「文法用語は難しく感じるので避けるべきである」という意見を持つ先生は意外に多い。その代わりに、別の語に置き換えて説明しようというのである。例えば、「形容詞」とは言わずに、「どんなだ語」と言い替えたりするのである。なるほどと思われるかもしれないが、私は「形容詞」はそれほど難しいとは思わない。中学生以上であれば普通に受け入れることができるはずだし、「形容」という言葉を説明してあげればいいだけのことだと思う。難しい(と思われる)言葉を使う代わりに、かみ砕いた平易な言葉を使うことで分かりやすくなるのは事実だし、それは先生に求められる指導技術でもある。しかし、文法用語を完全に排除すればいいというものではない。両方をバランスよく使えばいいのである。だいたい「形容詞」程度の言葉が理解できないで、高校入試をどうやって突破するのか、いや、義務教育さえ修了させることはできないのである。こんな風になる先生は、一つ一つの単元や問題で分かりやすさを追求するあまり、全体像を見失っているのである。授業に慣れてきた若手の先生に見られる傾向である。

 さて、中2の二学期には、中2英語の山場の一つとなる単元である「不定詞」を学習する。当然、三用法の違いをきっちりと理解することが学習目標である。いわゆる「名詞的用法」「副詞的用法」「形容詞的用法」を識別しなければならないのだが、この3つを識別するのが生徒には困難なのである。しかし、各品詞の意味や働きを理解しているとそれほどでもないのである。その上忘れにくくもなる。だから、形容詞だとか副詞と言った程度の文法用語を避けて学習していると、不定詞の学習でぼろが出始める。そしてその後の学習が進むにつれてだんだん厳しくなってしまうのだ。特に高校へ入ってからは大変な目に合う。だから、私は中1の2学期頃からは品詞を強く意識させるように心がけている。品詞は単語を分類し働きを理解する上でたいへん重要な概念だし、論理的思考の出発地点でもある。文法用語は難しいなんて言っていると、高度な学習には発展しないし、いつまでも丸暗記を余儀なくされる。そういうものである。

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