TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

部活動との両立

 学校や部活にもよるが、GW連休前後で中1も正式に入部する。そして、このあたりから最終下校時刻も伸び、練習時間も増える。土日には練習試合も頻繁に入るといった状態に突入する。そして、6月から7月にかけての総体へ向けて厳しい日々が続くのである。慣れない中1にはこれが大変きついのである。体力的にも精神的にも追い込まれる。その挙句、始まって間もない塾を辞めたいといったことを言いだす生徒も現れる。

 さて、部活と勉強の両立は中高生にとっては大きな問題である。正直なところ、理想的な両立をしている生徒などほとんどいない。多くの生徒は部活動に比重を置いてしまっているのが現状だ。年間を通してこの両立が最もたいへんなのが、この1学期である。夏休みは学校の授業がないので意外と両立はしやすい。(たいへんな生徒もいますが)そして、秋の終わりから冬にかけては最終下校時刻が早くなり、活動が緩やかになるので少し楽になる。だからこの1学期が最も厳しいのである。ここを乗り越えれば何とかなるのだ。ちなみに、中学3年間で最もしんどいのは中1の1学期である。環境の大きな変化、初めての体験、乏しい体力、この3点が大きな負担となるところである。1度経験すると2回目以降は事前に備えたり、対処する方法が分かるものである。もちろん1年経過すると体力もついている。

 

 では、両立するために必要なことは何か?

これは部活にもその生徒の学力にもよるし、一概に言えるものではない。共通していえることは次に挙げる3点だと思う。

 ①上手な時間の使い方をすること

 ②コミュニケーションをしっかり取ること

 ③時期に応じて力の入れ具合を加減すること

 

①は最も難しく、親もいらいらしてしまう点だろう。

 子供は忙しいのにも関わらず、信じられないくらい無駄な時間を使いどうでもいいことをやってしまう。30分でできることを1時間もかけてしまったりすることも珍しくない。意識したいことは、なるべく短い時間で最大限の効果を上げることである。これには家庭内での厳格なルールが必要だし(娯楽を制限・勉強時間を決めるなど)、指導者も必要だ。大人が言うのは簡単だが実践は難しい。

 

②これに気が付いていない人が多いが、私が今まで教えてきた生徒で両立がうまい生徒は、極めてコミュニケーション能力が優れていた。中には大人と変わらない生徒もいた。では、どうしてこれが大事なのか?それは自分の現状を周りに理解してもらえるということである。練習や試合のスケジュールがどうなっていて、自分の生活の様子がどうなのかを伝えることで、適切なアドバイスをもらえるし、親や先生も協力しやすいものである。何も言わないと周りの大人も何をどうしてやればいいのかは分からない。意外とこの何も言わないのは多い。特に男子。また、中には自分の現状を分かってもらえるだけで安心する生徒もいる。これは大人でも同じである。自分の理解者がたくさんいれば活動はしやすいものだ。

 

③もあまり意識できていない。

 両立がしんどいと言う生徒のほとんどは部活動に全力投球してしまう。持っているありったけの力を放課後の練習に注ぎ込む。体内のエネルギーのほぼ100%を部活動のために使ってしまうのである。勉強する力はおろか動くことさえできなくなってる生徒もいる。真面目なことはいいことだが、度を超してはいけない。何事も加減して活動しなければならないのである。特に中1はこの力のかけ具合が分かっていないようだ。塾のない日は全力投球もいいが、塾のある日は勉強する力を残しておくべき。また、試合が近づくと自然と力をいれないといけないが、毎日試合前のようなテンションでは長持ちするわけがない。年間通してどのように力を入れるべきかを意識するできなのだ。これも、1年活動してようやくわかることだと思うが。

 

 さて、長文になってしまったが私は部活動を否定しているわけではない。むしろしっかりとやるべきだと思う。大人からすると羨ましく思うほど、中高生は体中にエネルギーが充満している。しかし、その膨大なエネルギーが全て勉強に向くことなどあり得ない。体を動かすことで自然に発散したほうがいいエネルギーが多いのだ。だから、バランスよく取り組んで欲しいと思う。とにかく、苦しくなったら相談しよう。そうやって両立をして欲しいものだ。

 

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