TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

「型」を教えることとの功罪

 公立高校入試の国語では小論文、英語では自由英作文の出題がある。どちらの科目もそれぞれお題と条件が与えられて作文するというものだ。実はなかなか難しい問題であり、しっかりとした指導を受けた上である一定期間のトレーニングがないと満点を取ることはできない。当然、合否のカギを握る重要な問題だ。

 さて、この作文指導に関しては、「型」を教え込む先生とそうでない先生に分かれる。「型」とはどんなお題にでも当てはまりやすい文章の展開の仕方であり、覚えていれば学力が中途半端でもなんとなく書けてしまう便利なものである。ただし、全てのお題に合致する魔法のような型はなく、お題によっては通用しない場合も珍しくない。生徒がどうしても書けないというとその「型」を教える必要がある。満点が取れなくても「型」を使えば1点または2点程度は手に入るかもしれないからね。しかし、ある程度の学力はある生徒にまでその「型」を押し付けるのはいけない。一つの書き方として提示すのは問題ないが、「型」を押し付けるのはけない。そんなことをしてしまうと生徒の思考は見事に止まってしまう。思考が止まるということは、伸びが止まることではなく、確実に力は低下する。一つでもこういう指導を入れてしまうと他にも影響が出るので全体的に思考放棄の傾向になってくる。丸暗記の方向へ走り出すのだ。目先の数点(も大事だですが)のために勉強の根本を崩すような指導は絶対にいけない。学習したことをしっかりと使いこなす指導をして、自ら書けるように指導しないといけないのだ。でも、意外にこの型を押し付ける指導をする先生は多いし、その先生が生徒からの評価が高かったりすることさえあるから驚く。(最近問題の先生にとことん依存させるというやり方だ)

 ということだから、私は英作文指導では「型」を押し付けるような指導は一切しない。成績がどんな生徒であっても自力で書かせるようにしている。そして、良いお手本をたくさん見せてやる。たくさんの模範に触れることで徐々に感覚は鋭くなるし、実際に上手になるのだ。

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