TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

それは理由ではない

よくある生徒とのやり取りです。

 

【ケース1】

先生:どうしてmakeと書いたのですか?

生徒:makeかなと思いました。

先生:いや、だからどうしてmakeと書いたんですか?

生徒:...

 

【ケース2】

生徒:宿題を忘れました。

先生:どうして忘れたんですか?

生徒:やったんですが、机に置いたまま来てしまいました。

先生:では、なぜ置いておいたのですか?

生徒:…

 

これを読んでどう思われるでしょうか。

ケース1の方がひどいですが、どちらも返答としてはダメですね。先生が理由を尋ねているのに理由になっていませんからね。

 この場合「makeかなと思った」には何の根拠もなく、ただの思いつきなのですよ。いろいろな思考を巡らせた結果ではなく思いついただけなのです。解答には根拠が必要で根拠なしの解答には何の価値もありません。こんな状況で正解しても、次回も解答できる保証はどこにもありませんからね。

 

ケース2の「机の上に置いてきました」は生徒としては本当に理由として位置づけるケースがあるのですが、本来なら次のように考えるのが自然です。

「うっかりしていた⇒机に置いたまま⇒持ってくるのを忘れた」

だから、忘れた理由を尋ねられれば、「うっかりしていました」と答えるべきですよね。さらにこのうっかりしている理由が勉強に対する意識が低いことですけどね。私はそこまで追及します。(笑)

 しかし、この宿題忘れの場合はこの理由であって理由でないことよりも、宿題をやっていない場合も結構あるということなんですよね。せっかくやった宿題をそんなに簡単に忘れる方がおかしいですからね。そこを踏まえてとことん指導しないといけません。

 

 私はこういうときに適当に対応はしません。理由は二つあって一つは生徒になめられるからです。「あの先生はちょろい」と思われたら終わりなんですよね。生徒は、結構そういうところをしっかりと見ていますからね。

 もう一つは、原因と結果をきっちりとつなぐことができないと、筋道を立てた思考ができるようにならないからです。つまりここを疎かにすると、論理的な思考を育てるうえで大きな障害になるのですよ。ですから、学校でも家でも日常生活の何気ない会話ですが、きっちりとしないといけませんし、大人は責任を持って対応しないといけないのですよね。

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