TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

約分して✖をもらった生徒のモチベーションはどこへ…

正しい解答なのに✖とは…

 小学校では習っていなことをテスト答案に書くとダメとされてるようですね。なんと、正しい解答でも✖にされるのですよ。たとえば、最近、目にしたのが、分数の計算の答えで、3/6が解答のところ、1/2とちゃんと約分して書いた答案が✖にされているのをインターネット上で見ました。どうやら、テストを受けたタイミングでは約分までは習っていなかったらしく、✖にされていたのです。これに対しは、大変な多くの意見が飛び交い大騒ぎになっていましたね。多くは小学校の方針がおかしいという内容のもので、中には小学校のこの方針を擁護するものもありました。最初から約分できない問題にするべきだとテスト問題の不備を指摘する意見もありましたね。もっともです。

 この手の話は本当にネタが尽きないのですが、一番驚くのは自分の名前の漢字さえダメだということです。その時点で習っている漢字しか書けないのですよ。ですから、正式には「山田花子」であっても、その時点で「花」という漢字を習っていなければ「山田はな子」と書かなければいけないのですよ。本当に「えー!」としか言いようがありません。名前ですからね、「山田花子」は「山田はな子」と書いてしまえば別の名前なのですよ。しかし、「習っていない漢字は書いてはいけない」ルールのために奇妙なことになっているのです。なぜ、そんなルールがあるのかというと、自分が分かっても習っていない他の生徒が読めないからということらしいですね。一瞬「なるほど」とは思いますが、分からなければ尋ねればいいし、そうするように指導すればいいわけですし、本人でも先生でもその場で教えれば済むことですよね。絶好の教育の機会なわけですよ。こういう機会を失う方が残念だと思うのですが、なかなかそうはいかないようですね。

発端は保護者からのクレーム

 実はこの「習っていないことは書いてはいけない」というルールの成立は保護者からのクレームが発端のようですね。一部の保護者が「うちの子供が分からないから、名前であっても習っていない漢字を書くのはダメだ。うちの子供がかわいそうだ、どうにかしろ…」というようなクレームが実際に結構あったようなのですよ。学校や教育委員会にもしつこくクレームを入れてたらしく、教育委員会や学校側も仕方なしにこのルールを決め一般化した経緯があるようです。いわゆるモンスターペアレントですね。相当しつこくひどかったのでしょうね。どうにかしないと収まらなかったのでしょう。そういう意味では教育委員会も学校がも気の毒ですし、たいへんなご苦労だったと思います。しかし、このクレームは受け入れて良かったのでしょうか…。一部のクレームのために教育現場が教育の在り方が変えられたのですよ。いいように変わったのならともかく

どう考えても悪くなってますからね。教育が歪められたといっても言い過ぎではないでしょう。教育委員会も学校側もクレームから逃れることが目的になってしまったように思われてもしかたがないでしょう。徹底的に戦うべきだったと思いますし、教育する立場の人間なのだから、このレベルのことはきっちりと説得するべきですよね。そして、教育を守るべきだったのですよ。教育を守らずに自分の身を守ったのですから、本当に残念ですよ。部外者が偉そうなことを言うなと現場の先生から叱られそうですが、部外者だから言えるのですよ。たいへんな業務だとは思いますが、根本を見直すべきだと思います。

  学校で習っていなことを知っているのは本来褒めるべきことであり、自学することは推奨すべきことであり、これを失った義務教育に何を期待できるのでしょうか…悲しすぎます。

 

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