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「普通に忘れました」では「どうして」の返答になっていない

先日の生徒との会話です。

 生徒:先生、すみません。宿題を忘れました。

 生徒:どうして、忘れたの?

 生徒:普通に忘れました。

 先生:えっ?「普通に忘れた」ってどういうこと?

 生徒:ええっと、普通に忘れました…

 先生:「普通に」というのは「どうして」に対する答えにならないでしょ。

    例えば、

    「どうしてサッカーが好きなのですか」「普通に好きです」

    「なぜ、その本を読んだのですか」「普通に読みました」

    こんな会話おかしいんでしょ。

    「なぜ・どうして」には、理由を答えないといけません。

 

 とまあ、こんなやり取りをしたのですよ。しかし、このような会話は別に初めてのことではありません。何度もありますし、似たような会話は本当に多いのです。驚きの会話ですよね。実はまともにきっちりと返答できる生徒は少ないのです。「なぜ・どうして」と尋ねられたら、「~だからです」と理由を答えるのは国語でも指導されていることです。しかし、こういう場面ではそれが活かされないのです。そして、言葉遣いも奇妙であることがわからないのです。なぜか?それは普段からきっちりと会話していないからです。日常会話の言葉遣いは本当にひどいのです。文章ではなく単語だけ「て・に・お・は」などの助詞も適当。なんとなくの会話です。なんとなく伝えてなんとなく理解して…を繰り返しているのです。子供同士だと互いに言葉の間違いを指摘しませんし、そうすることで関係がぎくしゃくする危険性がありますからね、よほどの場合でない限り放置してしまうのです。ですから、大人との堅苦しい会話になるときっちり話すことができませんし、正しい言葉遣いができないのです。思考や言葉は突然レベルが上がることはありませんからね。ダメなところははっきりと出てしまうのです。これは大人がきっちりと指導をしなければならないですし、大人との会話の機会を増やさないといけません。

 さて、この「普通に忘れた」について、先生は厳しく対応はしますが、もちろん意味は分かっています。おおむね「忘れた理由は特別なものではありません」ということなのです。別に忙しすぎたわけでもないし、他にやるべきことがあったわけでもないし、うっかりしていたということなのでしょう。「特別」なことがなかった。つまり「普通」ということになったのでしょう。ある意味筋が通っています。でも、省略しすぎですよね。これでは、良く知る間柄でないかぎり伝わらないのです。

 しかし、この「普通に忘れました」という表現方法がしばらくすると正しくなるかもしれませんよ。例えば、「全然、大丈夫」なども「全然」の後の肯定表現ですが、受け入れられつつあります。辞書にも俗語とし掲載されていますよね。ですから、何十年か経過すると「普通に忘れました」の「普通に」の使い方が正しい用法として認められているかもしれません。

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