TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

紙一枚の折り方で思うこと

 きっちりと角を揃えて紙を折る生徒と、そんなことには全く気にもせずに適当に折り曲げる生徒がいる。もちろん、その生徒の性格が表れているのだが、これは学力の表れでもある。絶対ではないが、紙を適当に折る生徒に学力の高い生徒は少ない。紙を適当におる性格はすべての行動に見られ、勉強においても例外ではない。緻密なことを求められる勉強において紙をきっちりと折ることができないいい加減さは致命的なのである。だから、この辺りのことは幼少期から親がしっかりと仕込まないといけないと思う。

 紙を折ることに関しては気になることがもう一つある。それは表向きに折るか、内向きに折るか。つまり印刷した面を隠すように折るか、印刷した面を見えるように折るかということである。どっちがいいかは言うまでもない。印刷面を見えるように折る方がいいに決まっているのである。理由は折られた紙をいちいち開かなくても何の紙なのかがすぐにわかるからだ。子供のうちは学校や塾で驚く程多くの紙に囲まれて過ごしている。テスト用紙、補助教材、連絡プリント、など。数枚程度ではない。膨大な枚数の紙が配られている。大事な物もあれば価値のないものもある。それらがファイルの中で混在している。整理しようにもできないレベルの枚数になることもある。そのたいへんな枚数の紙が全て印刷面を隠して折ってあれば、どうなるかは容易に想像できるだろう。欲しい紙を見つけるのにたいへんな時間がかかるのである。忙しい時間ならストレスも尋常でない。そして首尾よく見つかればいいが、場合によっては見つからないこともあろう。親に渡すべき大事なプリントであれば、笑い事ではない。だから、紙は印刷面が見えるように折らなければならないのである。印刷面が見えていば多少紙が多くても、整理されていなくても見つけやすい。時間もかからず、ストレスもない。精神衛生上も極めて良いのである。

 もちろん、私はこの印刷面を表にする折り方を指導し、その指導を徹底している。しかし、入塾して間がない時はほとんど全員が印刷面を隠して折る。塾に来るまでは誰にも指導されていないということである。なんと学校ではこの折り方を指導されていないのである。生徒に尋ねても「指導されたことない」と答えるのだ。どうして、こんな基本的なことが指導されないのかが不思議でならない。また、この紙の折り方は別に私オリジナルの指導ではなく、まともな塾では当たり前のことである。国から免許をもらった教育のプロができないのはどういうことだろうか…それとも指導しないのは何か別の狙いがあるのだろうか…。塾と学校の教育目標は異なるから、指導に違いがあるのは当然である。しかし、紙の折り方はそんなレベルではない。なのに学校指導されないのはなぜだろうか…分からない。もしかして知らないのか?まさか…。

 ま、いずれにせよ、たかが紙一枚の折り方だが、私はたいへん大事であると思っているし、そんなレベルを指導をすることが学力を向上させる上で不可欠だと思っている。