TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

日大の件で思うこと

 連日、日大の件で大騒ぎをしていますが、本当に残念な限りです。教育に従事する立場の人間、教育を行う場が腐りきっているのですから、世間も厳しく追及するのは無理もないですよ。しかし、いつも思うのですが、最近は本当に袋叩きですよね。ネットが完全に浸透しているので拡散スピードは驚くほど速く、またあらゆる方向から攻撃され必要以上につるし上げられるのには恐怖を感じます。確実に罪が確定しているならまだしも、容疑者の段階や不明瞭な段階でほぼ決めつけてつるし上げようとするやり方は、いつか大きな失敗を引き起こすでしょう。その中心がマスコミとなるのですが、記事のため視聴率のために人権を蹂躙するような取材や、記者会見などでは失言を引き出すために返答に困るような質問をしたり、同じような質問を繰り返している記者連中には辟易とします。マスコミは正義の味方のふりをして結構えげつないですからね。迷惑をかければ謝罪し、罪を犯せば償えばいいのです、必要上につるし上げるのは好ましいとは思えません。ちなみに、前監督がこの記者会見の後、体調を崩し病院へ行ったのですが、病院へ向かう時の写真がネットに上がってました。まるで逮捕された犯人がパトカーで連れていかれるような写真だったのですよ。トコトン悪役に仕立てようとしている風にしか見えませんでした。マスコミのこういうやり方は非難されるべきですし、世間はこのマスコミのやり方を許してはいけないのですよ。物事に冷静に目を向けないと大切なものを失ってしまいます。

 ツイッターを眺めていると、「若者最高・おっさん最低」というツイートを見かけました。日大の二つの会見を見比べてのツイートなのです。まあ、確かにそうですよ。あの会見に関しては、若者の方が明らかに立派でしたからね。でも「若者最高・おっさん最低」という十把一絡げに言い切るるのはどうかと思います。ダメな若者もいますし、立派なおっさんもいますから、この短絡的な発想はどうかなというところです。さらに、驚くいたのがこのツイートにたくさんの「いいね」が付き、「リツイート」されていたことです。日ごろから恨みがあるのか、おっさんにいじめられているのかわかりませんが、鬱積したものがあるのでしょうね。いずれ自分もおっさになりますからその時にはわかります。

 社会的な問題になる出来事があると、必ずといっていいほどそれに便乗するかのように論点のずれた議論が行われたり、関係のないものと結びつけたりして、自己の利益のために活動するものさえ現れるのが残念なところです、実際、この監督と安倍首相をつなげて批判する人はたいへん多いですし、おっさんや部活を全否定したりする意見もたくさんあります。そういう意見には惑わさないで自分の意見を持ちたいものです。

 さて、この件に関しては不謹慎ですが、気づきや学びはたいへん多いですよね。様々な問題がクローズアップされていますし、特に危機管理の在り方と対応の仕方については悪い見本としては見事なのです。また、インターネットの力やマスコミのレベルの低さも嫌でも伝わってきます。ですから多くの組織がこの事例で学ぶこといいですよ。できれば学校内でも扱うべきでしょう。HRの時間や道徳の授業で扱うことも悪くないと思います。小6なら十分にわかる内容ですからね。

 とにかく大騒ぎしないで報道は偏向することなくバランスよくおこなって欲しいものです。他にも大事なことがたくさんありますからね。

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