TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

親にはことわざや慣用句を使って欲しい

「足が棒になる」や「目から火が出る」のような慣用表現はたくさんあり、それらを用いることで的確に情報を伝えることができますし、また会話を楽しくすることさえできるので、たくさん知っていると何かといいのですが、このレベルの慣用表現を知らない子供は意外に多いのです。国語の授業で初めて知るのですよね。聞いたことがあるけど意味はわからないのならまだいいですが、聞いたことさえないというのですから驚きます。なぜでしょうか?読書量が足りないのしょうか?まあ、それもあるでしょうが、これは日常会話が問題ですよね。親や祖父母、先生が使ってないのですよ。周りの大人が積極的に使えば、それを聞く子供は自然と身につけて使えるようになります。言葉などそういうものですよね。このように実際に言葉遣いに変化があるのも一つの原因でしょうが、親子の接点や大人と過ごす時間の減少も背景にあるかもしれません。両親はたいへん忙しくなかなか会話する時間を持てない家庭も多いでしょうしね。大人との会話が減ると子供の語彙も貧弱なままですよ。

 私は子供の頃、日常生活で祖母や母からことわざ・慣用句をよく聞きました。何か一つの話の後にその話をまとめるように、ことわざや慣用句が出てくるのですよ。歩き回った後であれば、ほぼ100%「足が棒になる」と言ってましし。頭部や顔をどこかにぶつけて痛い思いをしたら必ず「目から火が出る」と言うのですよ。そんなことを小さい頃から日常的に聞かされるのですから、どんどん覚えていくわけですし、そういう慣用表現に対して敏感になるものです。教科書を通して、あるいは授業の中で学ぶ言葉はもちろんたくさんありますが、やはり日常生活の中で習得していくものですよ。「足が棒になる」程度の慣用句を教科書を通して学んでいるようでは、勉強は追いつきません、もっと重要で難しい言い回しを身につけないといけないのですからね。

 しかし、慣用表現が生まれた頃とは大きく世の中が変わっています。現代社会においては、これだけ交通機関や移動手段が発達しているのですからね、足が棒になるほど歩く経験はたいへん少ないし、「足が棒になる」という表現はもはや一般的でないのでしょうね。残念ながら、時代に合わない言葉は淘汰されてもおかしくはありません。

 まあ、それでも親には積極的にことわざや慣用句を日常会話で使って欲しいのですよ。非常に地味ですがこれほど後々じわじわと効いてくるものもありませんよ。

 

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