TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

塾の「〇〇対策」をすべて信じてはいけない

進学塾=「〇〇対策」のイメージ

 進学塾と言えば、「〇〇対策」というイメージの方が多いのですはないでしょうか。特に学校の先生からのそういう目で見られているのかもしれませんし、保護者や生徒もこの「〇〇対策」を求めていると思います。確かに、塾は〇〇対策が好きですし、〇〇対策が塾の生命線でありアイデンティティでもあるかもしれません。対策という言葉を使わな塾はないでしょうね。最も一般的なのが定期考査対策、受験校別対策、私立対策、公立対策、作文対策、面接対策…まあ、こういう具合ですからきりがありません。全ての授業にこの「対策」という言葉をつけることができるのですからね。

 しかし、この「〇〇対策」と言う言葉の使い方や捉え方は塾によっても、先生によっても違うものです。基本的に何かに特化した授業を対策授業と読んでいます。あれこれやるのではなく、目的を絞り込みそれに合わせた内容を解説したり、集中的に演習を繰り返すような授業ですよね。たとえば、定期考査対策であれば、試験範囲に合わせ、単元を絞り込み、頻出の問題を用い、塾によっては過去問を用い、ズバッと言いますと出る問題、出やすい問題に焦点を合わせた授業ということになります。たぶん、どこの塾でもこれは変わらないでしょうね。しかし、おかしな塾はさらに深く踏み込み作成者の先生に合わせて対策をすることもあるようです。ここまで行くとダメですよね。私はこういうのは大嫌いです。基本的にカンニングと変わりませんからね。基本的に同じレベルで、他の「〇〇対策」が存在しているのです。

〇〇対策だけでいいのか?

 塾は「〇〇対策」を一年中しているのでしょうか?あるいは「〇〇対策」をしているだけでいいのでしょうか?そんなわけありまえんよね。「〇〇対策」以外の通常の授業があって、一から、基本から学び、ある程度の知識と解法などを見つけている状態があって、専門的な「〇〇対策」が成立するわけですよ。基礎・基本の理解ができていないものには「〇〇対策」をすることは丸暗記をさせるのと同じですから全く意味のないことです。ですから、もし、基本がわかっていなければ基本を理解してから対策をしなければなりません。当たり前のことなのです。

 塾は基本的ななことは飛ばして対策ばかりしていると思っている人もいるようですし、塾は「〇〇対策」さえすればいいと思われている方もいるかもしれませんが、どっちもダメですし、ありえないのですよ。普段の授業があり、その後の対策授業で大事なことを確認して理解を深めていくようなやり方が普通のやり方なのです。

「〇〇対策」ありき

 しかし、いろいろな塾がありますから、「対策授業ありき」で運営している塾ももちろんあるわけです。また、先生自身も「〇〇対策こそ塾の授業」と考えているケースも珍しくはないのですよ。ですから、その手の塾は基本的に教務レベルが低く、教えるよりも演習型になっている可能性があります。上位の生徒はそれでもうまくこなせるのですが中位層以下は丸暗記になってしまいますので、肝心の学力は身につかず高校入試を突破する実力はつかず、高校進学後も悲惨な状態になるのです。この対策ありきの塾では「学力をつけるのではなく、点数を取る」という発想なのですよ。実はこういう発想の塾は増えていますから、注意しないといけません。このせいで塾業界全体が同じように思われてしまいますからね、本当に迷惑な話ですよ。

「〇〇対策」は良い儲けになる

 実は「〇〇対策」は非常に儲けがいいのですよ。特に受験学年は切迫した状況ですから、惜しみなくお金を使ってくれますので、そこにつけこむ塾は非常に多いのです。大手塾はもうそれははっきりしていますよ。やらなくてもいい対策や通常授業に組み込めることができる内容をわざわざ「〇〇対策」として別枠でやるのですよ。すると別料金が取れますからね。塾としては「〇〇対策」が稼ぎ頭なのです。もちろん、値打ちのある対策、必要な対策はやればいいですよ。また、その「〇〇対策」が生徒側が選択できるものであればいいのですが、基本は全員必修ですからね。もう、弱みにつけこんでいるとしか言えません。異常に高価な合宿はその代表です。

 ちなみに、うちも進学塾の端くれですから中3に対しては「〇〇対策」みたいなことはやります。でも、いちいち「対策」という言葉は使わないですし、費用も取りません。

対策ができないと嘆く先生

 まあ、こういう状況ですから、「〇〇対策」ができないと嘆く塾の先生もいるらしいのですよ。どういうことかと言いますと、私立の入試問題は傾向は割かしはっきりしている学校が多いのです、ですから比較的対策をしやすいのです。つまり問題傾向とレベルが絞り込みやすいのですから、生徒にもすべきことを指導しやすいのです。しかし、中には対策のしにくい問題の学校もあります。そういう入試問題を見てどうしていいかわからず嘆いている塾の先生が結構いるようですね。「対策ありき」の指導方針だとこうなるんですよ。「〇〇対策」が指導の中心ではなくて、数ある授業や指導の一つにすぎないのです。残念ながら、何を対策していいかわからないという状況の塾では入試を突破させることは無理です。もっと問題はその恥さらしなことを外部の人間に漏らしていることですどね。

 ということですから、「〇〇対策」の多い塾には気を付けましょう。

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