TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

英文法は要らない?

英文法は忌み嫌うべきものか

 昔から英文法を否定する人は結構います。テレビなどでも大声で批判している人は依然として多いですし、インターネットでは英文法を否定する内容のページは多くあります。

そういう人たちが決まって言うのがこれですよ。

「英文法ばかりやっているから日本人は喋れないんだ」

そして、これを聞いた多くの人が

「そうだ、そうだ、だから、日本の英語教育はおかしい…」

「私も、英文法のために英語が嫌いになった…」

「日本語は文法を知らいけど、しゃべれるぞ。やっぱり、英文法はダメだ…」

というコメントを発するのですよ。そして、これらのコメントに乗っかる人もまた多いです。

 本当にそうでしょうか?英文法はそんなに忌み嫌うべきものでしょうか?英文法と言うと堅苦しく思えますが、いいかえれば英語の規則・ルールなわけですよ。規則やルールって邪魔なものでしょうか?理解を阻害するものでしょうか?我々は規則やルール下で暮らしています。当然、規則やルールは共通のものであり、その共通の認識のおかげで問題が非常に小さく抑えられているわけですよ。英文法も同じですよね英文法を学べば、その共通のルールで英語を使えるわけですから、誤用を防げますし、確実に情報伝達ができるのですよ。またルールを学ぶことで理解・吸収は驚くほど早くなるのです。

 

野球を本格的やりたいのならどうするべきか?

 例えば、野球を知らない人が野球を本格的にやりたい時にどうするか。事前に何も学ぶことなしにいきなりプレーはできません。とりあえず、野球の試合を見る必要があります。スポーツですから見ているだけで大体のルールはつかめますよね。

 しかし、あくまでも大雑把なことです。

「打者は打てば一塁へ走り、野手は撃たれたボールを取り一塁へ送球する…」

「走者が本塁に戻れば得点が入る…」

「アウトが3つで攻撃する側が入れ替わる…」

というレベルのことはは試合を1つ見るだけでもわかります。しかし、1つの試合で野球の事象の全てが現れるというわけではありません。相当な数の試合を見ないと細部まで野球のルールを知ることはできませんよね。10試合程度では無理かもしれませんね。人にもよりますけど、たくさん見れば見るほどいろいろなことを学べ、野球のルール、そして野球というものがわかるのです。一試合3時間として、10試合を見れば、30時間かかかります。20試合ならその倍で、60時間もかかるのです。でも、事前にルールを学べばどうでしょうか?そんなにたくさんの試合を見なくても野球を理解できますよね。数試合も見れば大丈夫ですよ。

 次に、この野球のルールや野球というものを学んだ人が実際にプレーできるでしょうか?いきなり試合に出れるでしょうか?常識で考えればわかりますよね。絶対に無理です。実際の野球をやったことない人なのですから、ボールの持ち方やバットの握り方さえわかりません。投げることなどできるわけありませんし、打つことなどはもってのほかですよ。やっぱり練習しないとダメなのです。試合に出るようになるまでは、相当な時間の練習が必要です。さらには、試合で活躍するようになるためには、練習だけでなく試合数そのものが大事です。多くの試合を重ね様々なことを経験しルールブックには書いていないことを学びテクニックを身につけていくわけですよ。そして、野球というものがちゃんとできるようになるわけです。

 

大切なものは実践

 英語も同じですよね。大事なのは実践なのです。「英語を話す」、「英語でコミュニケーションをする」、「英語で表現をする」という機会が大事なのでうす。スポーツで言えば試合に当たる部分がですよね。文法知識や単語知識があれば英文は読めます。相当難しい英文も読めますよ。実際、大学入試の英文などは相当な高いレベルの英文ですからね。そして、日本の英語教育は英文を読めること、大学で英語の論文を読めることを目標に構成されていますからね。目標は全く違うのですよ。しかし、英文法と単語をしっかり学習すれば相当な難しいレベルの英文が読めるのですから、これを否定する理由はどこにもありませんよね。大学入試レベルの英文が普通に読めれば手に入る情報量も膨大なのですよ。わざと日本語に訳されな情報を手に入れることができるのですからね。

 

英語だけの環境を手に入れるのは大変

 よく言われますが、日本には英語だけしか使えないような環境ははとんどないわけです。日常生活において英語を要求されることもほぼありません。ですから、日常的に英語を使える場所があまりにもありません。実戦の場面が皆無なのです。これでは英語を話す力を伸ばすことは難しいのですよ。ですから日本の英語教育がおかしいのは、英文法を教えていることではなく、自ら英語を活用させる指導が少ないこと、入試が英語を読むことが中心であると、そして、何よりも日本の社会構造が英語を必要としていないことなのですよ。英文法は何も悪くありません。英文法を学んだ方が英語の理解は早く習得もスムーズなのですよ。忌み嫌い否定すべきもではないのですよ。英文法を否定する人は自分の勉強不足を英文法のせいにしているだけです。

 しかし、日本人に英語は本当に必要でしょうか。もちろんできるに越したことはないですよ。英文も読めた方がいい。でも、全員が全員、英語を完璧に話す必要はないですよね。実際に英語後進国の日本が世界トップクラスの先進国であることがそれを証明していますよ。国の要人や大きな企業のトップ以外は現行の教育レベルの英語で十分だと思います。必要な人は身に付ければいいのですよ。

 

 

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