TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

伝統の前の思考停止

伝統か人命か

 ここ数日この話題が大きく扱われてますね。今朝もワイドショーはどの放送局もこの話題ばかりでした。土俵に女性が上がれないという問題は今までにも何度も問題になってましたが、「伝統」という言葉で片づけられてきたように思います。今回は今までとは違い緊急時だったことが大きな問題になっているのですよ。これを機会に各方面で深く話し合いをしてもらいたいですよね。ただ、気になるのは今朝のワイドナショーでも感じるのですが、大相撲協会をとことん叩こうという姿勢ですよね。最近は一人をとことん追及し悪者に仕上げてしまうような風潮があります。ネットでも「炎上」というものがあり徹底的にやられます。悪い人や組織は相応の罪を償ったり制裁を受ければいいとは思いますが、あれほどまでにやる必要はないですよね。特にテレビは事実を曲げてあるいは偏向した物の味方で事件を面白おかしく報道した番組で視聴率を稼ぎ、下手すると誰かに都合がいいような世論を作りあげる風著さえあるので、よけいに不快に感じるのですよ。

 この件については、女人禁制の伝統が悪いというよりも、人命を優先できなかった当事者の意識の低さや判断力のなさ、大人とは思えない状況判断が大問題だと思います。目の前で人が倒れているのですから、子供でも、目の前で起きていることがただ事ではないことがわかります。また、格闘技にも関わらず医師が配備されていないことも危機管理の観点からはあり得ないことなのです。危機管理意識がゼロなのですよ。それと、伝統を絶対視させている大相撲教会の体制が問題だと思うのです。

 

伝統も変えればいい

 どこの世界にも伝統はあり、だれもが伝統に盲目的に従っています。多くの人々が伝統に縛られているとも言えますし、伝統が社会を維持している場合もあります。伝統を通して多くを学び我々は生活をしているわけですよ。しかし、伝統には必要なものもあれば、冷静に考えると「謎」としか思えないものもあります。また、なぜその伝統があるのかがわからないために伝統を否定的に考えてしまうことも多いでしょう。今回の「土俵は女人禁制」という伝統もちゃんと理解せず、女性差別だ蔑視だと騒いでいる人も多くいると思います。ですから、我々はまず身の回りの伝統を深く理解すること、その上でその伝統を守るべきなのか変えるべきなのかを考えればいいのですよ。改憲問題と同じで、「伝統だから絶対に守らないとダメ」と議論さえ排除する姿勢はダメです。実際に、残念ながら消えてしまった伝統もあるでしょうし、形を変えて存続している伝統もありすよね。あるいは、スーパー歌舞伎のような物が登場することで歌舞伎の伝統をより深く理解できたという場合もあるのですよ。本当に「伝統だから…」で終わらせる必要はないですよね。しっかりと考えればいいのです。

 

ルールの前の思考停止

 伝統とまではいかなくても慣習というものがありますよね。各家庭にも各職場にもありますよ。本当にやる必要を感じない行事や仕事の仕方ってありますよね。決まりだからということで何も言わずに従っている場面はどこにでもあるでしょう。慣習というよりは因習というべきものが多くあるのです。私はこういうのが大嫌いで前の職場では背局的に変えてきました。大した伝統でもないのですから、当事者が最適化すればいいのですよね。そしてより良いものを作ればいいのです。これこそどんどん変化させていけばいいのですよ。何の疑問も持たずに決められたことを黙々とやっているだけではいいものは生まれませんよね。もちろんルール従い、ルールを守ることはたいへん大事です。しかし、それとこれの問題は別なのです。ルールの前に思考が止まってはダメなのです。今回の女性を土俵からおろすアナウンスはこういうところにも通ずるのではないでしょうか。

 

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