TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

大和言葉の美しさと春の女神

  先日、OVA版のブラックジャックを見ていたのですが、登場人物が「身罷る(みまかる)」という言葉を使ったのですよ。久しぶりに聞きましたね。それにしてもなんと美しい響きでしょうか。そして品格がありやさしささえ感じさせてくれます。やはり、大和言葉は頭で理解するというよりは全身で感じるような感覚があるのですよ。体中に染み渡るような感じさえあります。本当に心地よい響きです。

 

 この「身罷る」は死ぬの謙譲語ですから身内に対して使うのですよね。

・祖父は昨年死にました。

・祖父は昨年亡くなりました。

・祖父は昨年身罷りました。

こうして比べてみると、美しさが際立ちますし、特別感を感じます。

この美しい大和言葉を大事にしたいですよね。言葉は使わなければ消えてしまいます。しっかりと使いたいです。

 

 

 話しは変わりますが、今日の午後はたいへん暖かく3月初旬どころか4月初旬の陽気でしたね。本当に春らしくなりました。春と言えば「佐保姫」という言葉があります。佐保姫は奈良の都の東の佐保山にいます神さま。春を掌る神とされてきました。「春の女神佐保姫」これもいい響きがありますね。この佐保姫は歌人にこのまれ多くの和歌に登場します。

 

 佐保姫の染めゆく野べはみどり子の袖もあらはに若菜つむらし(順徳天皇

佐保姫が染めてゆく野辺は、幼い娘たちが袖から腕をあらわにして、若菜を摘んでいるらしいという内容です。

 

春の女神『佐保姫』の他にも季節ごとの神さまがおられます。

夏の女神『筒姫』
秋の女神『竜田姫
冬の女神『宇津田姫』

秋の女神の竜田姫はわかりますよね。竜田と言えば紅葉ですよ。秋にぴったりですよね。夏・冬の女神は正直なところピンとこないですね。でもこういうのって興味深いし楽しいですよね。

 

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