TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

できることは協力と応援

 塾の先生ができることは、できるだけ分かりやすく教えることと、がんばるための場所を提供すること。親も送り迎えをしたり、ご飯を用意したり、身の回りの世話である。周りの大人ができるのはあくまでも協力だ。そして応援である。勉強をするのは生徒自身である。生徒自身が本気になって頑張らなければどうにもならない。当たり前のことである。残念ながらその当たり前すぎることが、なかなかわからない生徒がいる。もちろん勉強から逃げているからである。厳しい現実を受け入れるのが嫌なのである。だから常にごまかして生きている。周りの人間に嘘をつき、自分自身に嘘をつき、周りからの意見は基本的に聞かない。あるいはきわめて自分にとって都合のよい解釈をする。これでは協力の効果はないし。受けた授業さえ意味をなさない。だから応援する気を喪失することも珍しくない。こっちも人間である。正直に腹が立つ。腹が立ったらその感情は押し殺さずに生徒にぶつける。怒鳴ることもある。ながながと説教することもある。そんなことを何度も繰り返しているうちにだんだん理解できるようになる。(けど、本当に忍耐がいる。本当に何度も裏切られるのである。)

 しかし、そんな状態でも塾を継続してくれればなんとかなってくる。ある時から変身するのだ。その時期はわからない。生徒によって個人差は大きい。中3になって変わる生徒、中3の夏休みから、いや中3の12月からの場合もある。入試直前の1か月だけの時もある。でも、その変化は非常に頼もしく、短期間で驚くほど成績が上がる。同時に人間的な成長もある。一回りも二回りも大きくなっているのである。まわりの協力や応援が理解できるようになっているいるのである。そしてそれに応えようとしているのだ。そうなってくるとやっぱりうれしい。たかが高校受験だけど値打ちがある。もちろん高校に入ることが目標でそれが最も大事なことだけど、この入試が貴重な体験をさせてくれるのだ。これほど素晴らしいことはない。先生をやっていて感じる喜びの一つである。

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進学塾teTsu/奈良市富雄/とりみ通り