TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

人生の半分を損している…

 私はこの「人生の半分を損している」というフレーズが嫌いだ。なんなんだろう、人生の半分って。例えば、「USJへ行ったことがない」または「アワビを食べたことがない」などと言ったときに、相手から返されるのだ。ということは人生の半分はUSJなのか?またはアワビなのか?そんな人生はおかしいだろう。というか、これは一方的な価値観の押しつけであり押し売りだ。他人の人生を自分の価値観で測ろうとはとんでもない傲慢なことではないか。いったい何様なんだろう。しかも、そう言うことで自分の人生はUSJだとかアワビが占めていることをさらしていることにもなる。薄っぺらい自分の価値観をさらしているではないか。これは、たいへん恥ずかしいことだと思う。

 もちろんこの言葉は「それほど良いものなのだから、是非体験してほしい」ということを伝えたいのである。それは分かっている。しかし、それならば、別の言葉や表現もあるだろう。なぜ、このフレーズがもてはやされるのか、多くの人が安易に使うのだろうか…。本当に良いものなら自分の言葉で表現して欲しい。会話を楽しくしたいのなら手垢にまみれた門切り型定型句を使うのはダメだと思う。しかし、そんな風に思う人は多くない。これは語彙力や表現力だけの問題ではなくサービス精神の問題だ。ちょっとでも面白くしたい、気の利いたことを言いたいと思うかどうかである。

 話を戻す。

 どうしてこの言葉が気に障るのか考えてみると、やはりこの言葉が「上から目線」なのである。単なる価値観の押しつけだけでではない。圧倒的に相手を見下し、自分が上位に立とうとすることがあふれ出ている表現なのである。だから、嫌な気分にされるのだろう。でもね、だれが言い出したかは知らないが、初めてこの表現をした人はある意味センスがあるとは思う。でも、不快にさせてしまう言葉はよくない。そろそろ死語になって欲しいものだ。

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進学塾teTsu/奈良市富雄/とりみ通り