TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

夏休み、忙しい塾の先生はどれくらいたいへんか

 塾の先生は夏休みはたいへん忙しい。夏休みに暇だともはや塾の先生とは言えない。そこそこ人気のある普通の先生なら朝から晩まで授業をしっぱなし、授業コマ数は一日8コマ~12コマ程度が普通。(1コマの時間にもよります)その上、質問対応もするし、宿題忘れの生徒を叱らないといけないし、保護者からの電話対応ももちろんあって、さらに、宅急便の対応さえ立て続けにこなさないといけないこともある。そして、授業のテストやプリント印刷などの準備をしたり、教材研究にもちろんそこそこ時間はかかる。そんな状況にも関わらず、授業の時に、「テストするから勉強しとけ!」啖呵を切ってしまい、そのテストを作らないといけないことになることもある。10分程度のテストなのに、ついつい気合が入ってしまい、作成に2時間ほどかけてしまったりすることもある。なんで、そこまで追い込むのかわからないが、第一線でやっている塾の先生ってこんな感じだ。だから本当に寝ている時間などない。

しかし、これでも教室や校舎移動がないとまだましだ。

 

本当に大変なのは校舎(教室)移動のある先生である。

 

大手塾の花形講師はたいてい校舎移動をして授業をする。大体、2校舎(教室)が多いだろうか、たいへんな先生は3校舎移動も珍しくないだろう。テレビの番組で、密着予備校講師の一日などというもので、「これから〇〇へ行って授業、そのあとは✖✖へ移動します」と涼しい顔をして応えている場面があったりする。それを見ている人は、「花形講師はかっこがいいな」と思うかも知れないが、本人は大変である。相当なプレッシャーの中でやっているのだ。というのも、スケジュールがギリギリなのである。ひどい場合は電車に1本乗り遅れたら次の授業に間に合わないようなスケジュールが組まれているのだから。だから、次の校舎へ移動するときに、少しでもイレギュラーのイベントが発生してしまえば、終わりなのである。例えば、チョークボックスを落としてしまったりすると悲惨。粉々に飛び散ったチョークを拾い集め掃除するのは相当な時間がかかるのだ。(経験者でないとわかりません)もちろん、誰かに任せないと仕方がないが、他の先生も忙しいので頼むのも気が引ける。もう気を遣わずにいられないので、つい、「今度ラーメンおごるから…」などと言ってしまったりすることもある。それほどこの校舎移動というのはたいへんのだ。そんな状況で一日中授業をして、帰りはもちろん終電。さすがに少しは寝ながら電車に乗りたいのだが、たいてい、電車では授業の教材研究をしている。電車の中というのは貴重な教材研究タイムなのである。不思議と集中できるしね。ほんと不思議。

 

 「夏の塾の先生はとっても忙しい」と、多くの方々から認識していただいているようですが、詳しいことはご存知ないでしょう。まあ、こういうことなのですよ。まあ、世間話のネタにでもしてください。

 

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