TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

「◯◯点アップ!」って本当に信用できるの?

 中間考査真っ只中ですね。中間考査が終わるとそれぞれの塾では「5科目80点アップ!」「数学30点アップ」といった文言がチラシやHPに書かれます。それを見て世間の人たちは「◯◯塾は凄い」とか「◯◯塾は指導力がある」と思うのでしょうね。特にものを知らない子供は騙されますね。大人はそれほどバカじゃないですけどね。だいたい、試験の難易度は一定ではありません。問題数だって一定とは限りません。当然作成者だって同じ先生ではありません。とうことは、定期考査の問題の質はかなり不安定なのですよ。ですから、異常に平均点の高いときも低いときもありますからね。そんな難易度の不安定な試験の素点を比べるっておかしな話ですよね。

 

例えば、前回のテスト 50点/平均50点、

    今回のテスト 80点/平均80点

わかりやすくするために、少し極端に設定しましたが、素点は30点もあがりましたが、平均点も上がっています。これで本当に30点上がったと宣伝していいのでしょうか…おかしいですよね。本来なら平均点も併記すべきですよ。(そんなことをしたら宣伝になりませんけど)本来こういう難易度の違いをカバーするために偏差値を用います。その平均点を偏差値50としますから、難易度違っても比較できるのですよ。ですから、この場合だと、前回も今回も偏差値は50。ということは変化なし。上がってはいないのです。

 

 

 

 そしてもう一つはその生徒の元の成績です。つまり、前回50点だった生徒は頑張れば30点アップして80点は可能ですが、前回80点だった生徒はどうでしょうか…30点アップは理論的におかしいですし、残りの20点は難易度の高い問題や取りにくい問題ですらね。80点を90点にするのも至難なのですよ。そして、前回50点の生徒の基礎学力も様々です。極めて高い学力を持っているのに、サボりまくって50点だった生徒を縛り付けてやらせれば80点になるでしょう。これはやらせただけです。しかし、学力的課題を抱えた状況で50点だった生徒はそう簡単には30点あがりませんよ。普通は相当な期間を要します。しかし、そんなこともチラシには書きません。当然ですよね。宣伝になりませんからね。

 

 ということですから、チラシや広告にはウラもありますしごまかしもあります。極論嘘も100回言えば本当になると言いますから、そういったいい加減なチラシを頻繁に出す塾はそれを狙っているとも言えます。そしてチラシや宣伝の回数が多いということは根本的に商売であるということ、そして莫大な宣伝費は授業料やその他の費用に組み込まれているということを心得ておきたいものです。

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