TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

真芯に当てないと打球は飛ばない

 最近、近隣の公立高校では、英語の単語帳に「システム英単語(シスタン)」(駿台出版)を使っているところが大変多いです。昔は(30年以上前)「試験に出る英単語(シケタン)」でしたよね。問題集や参考書も昔よりよい物が増えていますが、この単語帳も驚くほど充実しており魅力的な本は多いです。その中でも、このシスタンは非常によく出来ていると思います。何がよく出来ているかというと、各単語に「ミニマルフレーズ」がという3語~7語程度の短いフレーズ(句)がついているのです。完全な文ではなくてフレーズなのです。完全な例文よりも気軽なのがいいですね。そして、そのフレーズが実際に出された長文から拾い出し、頻度の高いものを採用しているのです。単語は単語だけ覚えても実際の文章ではピンとこないこともあり、実際に訳すときには不自然な訳し方になってしまいがちです。しかし、頻度の高いミニマルフレーズで覚えておけば、自然と意味がとれますし、せっかく単語を覚えているのに使えないということは無いのです。第一、単語だけを暗記するとたいへん忘れやすいですからね。印象的なフレーズで忘れにくくもなるのですよ。本当によく出来ていますね。自分が高校生のときに出会いたかったですね。

 しかし、残念なことに、高校では(わかってるのは3校だけですが、たぶんどこもほぼ同じだと思われます)この素晴らしいミニマルフレーズが使われていないのです。単語テストは定期的に行われているのですが、単語の部分だけなのです。ミニマルフレーズには一切触れず…。いったい、何をしているのでしょうか。そんなやり方をするのでは、シスタンを使う理由な無いのです。昔のシケタンで十分なのですよ。どこの学校でも使ってるからシスタンを導入したのでしょうか…売れているからでしょうか…それとも業者との癒ちゃ…いや失礼、それは無いですよね、無いはずです。絶対に無いことを祈ってます。

 実際に高校生に尋ねたのですが、高校ではシステム英単語そのものにつては一切説明はされていませんでした。ですからミニマルフレーズについてなど、一切触れられていなかったのです。いやあ、残念です。勿体無い。こういうのを一つとっても公立の先生に対しては大いに疑問を持つわけですよ。本当に伸ばす気があるのかどうか…。ちなみに、私はプリント1枚でもどんなプリントかを説明して勿体をつけています。(笑)実際に勿体をつけるとで、価値が上がりますからね。

 

 教材にも「まえがき」のような物があるのをご存知でしょうか?その教材がどういう経緯で誕生したのか、何を目的に作られたのか、執筆した先生の思いだとか、その本の特徴などをちゃんと書いてくれているのですよ。ほとんどの人は読まないと思いますが、一度読んでみてください。本当によくわかりますよ。するとね、当然ながらその教材を正しく使えるのですよ。一番効果のある使い方ができるのです。真芯で球を捉えるうことができるのですよ。

f:id:kuri2013:20160322131023p:plain

進学塾teTsu/奈良市富雄/鳥見町/とりみ通り/高校受験