TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

塾よりわかる・・・

 書店で教材を探していると、「塾よりわかる〇〇」といった名前のついた参考書を発見した。「こんなものが出回れば、我々の立場がなくなるな…」などと思いながら手に取って読んでみる。なるほど、「塾より…」というだけあって上手く書かれてある。また、見やすくまとめられている。しかしだ。冷静に考えてみるとこの本を誰が活用するのかが謎である。

 

 だいたい、塾の授業がわからない生徒が、参考書を読んで理解することはほぼ不可能に近い。というのも、中学生というのはたくさん演習をしながら理解を深めるといった、帰納的な指導の方が適している。残念ながら、一部のトップレベルの生徒を除いて文字を読んで理解するのは困難なのである。となると、この本を使えるのは、塾に通わなくてもできる生徒くらいである。そんな生徒はごく一部だ。たいへん数は少なく商売にはならないだろう。もちろん、年齢が上がると理解力が高まるので、大人になってからやり直しをしたい人には良い教材になるとは思うが。

 

 本当によくわからない教材である。しかし、本の名前には惹きつけられる。子供よりも親の方がよい反応をするだろう。我が子が伸び悩んでいればついつい買ってしまう名前なのである。そこまで考えたかどうかは知らないが出版社の苦悩は良く分かる。

 

というわけで、ドキッとした名前の参考書ではあるが、我々の存続意義を改めて確認した次第である。

 

 さて、こういった生徒用の参考書は、実は新人の先生の教材研究のネタにはうってつけである。経験がなくて、何をどこまで教えればいいのかわからない若い先生は活用するとよい。それなりに良い授業ができると思う。しかし、一般的によくはできていても本質の部分はいい加減な面もある。例えば、現在完了形の「have been to」の解説などはでたらめな本も結構ある。深い部分の理解はしれている。

 

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