TETSU JUKU

塾業界や教育業界の問題に迫ります。

「野球を知らない子供たち」を見て感じたこと

 丁度、中1の英語では序数を学習している頃(少し遅いね)だが、ファースト、セカンドサードと言った言葉の認識度が意外なほど低いことに驚く。尋ねてみると、今まで野球にほとんど接することなく中学生になっている生徒が結構いる。実際、テレビでも野球中継が少なくなり、親が野球好きでなければ、見る機会はほとんどないのであろう。また、友達同士で遊ぶ時も、野球は選択肢にないらしい。塾や習い事やゲームや他にも娯楽があるということ、それゆえメンバーが揃わないのも理由になるだろうが、近くの公園は野球禁止、小学校のグラウンドも野球部の生徒しか野球ができない、といったこともあるらしい。(私が聞く限り)だから、サッカー人気が野球離れの決定的な原因ではないようだ。

 我々が子供の頃は各町内の子ども会に野球チームがあり、特別なことがない限り、ほとんどの子供が所属していた。もちろん、日々練習もあり、それ以外に学校の休み時間や家に帰ってからも、近所の友達と野球ばかりしていた記憶がある。それほど上手ではなかったが野球が日常的だった。もちろん、贔屓にしているプロ野球チームや好きな選手がいて、打率や打点、ホームラン数、防御率、出身地や年俸などどうでもいいようなデータを頭に入れて(中には膨大データ量を頭に入れている友人もいた)、友達と語り合い、時には言い争い、場合によって喧嘩することもあった。また、新聞のスポーツ欄にも目を通して、リーグ別の順位やゲーム差を毎日確認していた。今思うとたいへん楽しかったと思うと同時に、大切な経験となっているような気もする。知らないうちに様々なことを学んでいるし、野球を通していろんな人とコミュニケーションを取ることができたのである。

 話がそれてしまったが、時代と共に物事が変化するのは当然である。その変化を残念に思うことも、歓迎することも、それぞれによって受け止め方は違う。しかし、できるだけ変化には柔軟に対応できないとダメだとつくづく思う。目の前の子供に大きな変化が起きているということをちゃんと認識して接しなければ、良いことはできない。わざわざ書くほどのことではないが、以上のようなことを最近、強く感じたのである。